CLφWD初ワンマンにKOU「今のメンバー、ファン、楽曲、全部が幼い頃に描いた理想郷」

今年の 1月に活動を始めたCLφWD。

青年達は自ら描いてきた理想を追いかけ我武者羅に走ってきた。その一つの集大成となる初めてのワンマンライブを 2015年 8月 22日に池袋 EDGEで迎える事となった。

チケットは発売開始 1分にて即 SOLD OUT。初めてのワンマンライブであるのに、シーンからの高い期待度が伺える。

会場内には日本の夏を感じさせる BGMが鳴り響き、瞬く間に超満員のオーディエンスで包まれた。BGMの音量が上がったと思うとアナウンスで登場したのはニコニコ生放送「ニコびじゅ」や TOKYO MXテレビ「LIFE IS V」でお馴染みの星野卓也氏。CLOWDとの共演も多い同氏の登場に沸く会場内。一通りのアナウンスをした後に、楽屋へ潜入し、メンバーへインタビューするという CLOWD流のおもてなしも。

20150828-01_band.jpg【クリックで大きな画像】

会場内へ SEの BGMが鳴り響きムービングライトが廻り出す。普段と違う一連の流れにオーディエンスの期待度も高まる。幕が開き、そこにはセンターに集う 4人。大きな歓声の中必ず 1曲目に行う『WAKE UP』がスタート。そこまでの迎え入れで身体を温めきっていたオーディエンスの熱量も爆発する。

続いて 8月 5日発売の『#夏の微熱』より c/wナンバー『レッドホット・ディスコ』。タオルを回す為に書き下ろしたという程、会場内は一面のタオル畑と移り変わる。そのまま勢いを落とす事なく『CHECK MATE』ではモッシュとダイブが交互に繰り広げられる。「理想郷へようこそ!」KOUがオーディエンスを迎え入れると『Take_53』でヘドバンの嵐。続いて『Liar’s Game』シンコペーションの効いたソリッドなサウンドでファンを魅了すると RGt冬真にスポットライトが当たり、自身のギタープレイのみで会場を巻き込む。近年のシーンに珍しいギターヒーローの誕生を予感させる。

暗転し「独裁しようか。」と KOUが囁く。悲鳴のような歓声に包まれ会場内を大きく揺らす。途中シーケンスのトラブルにより、同期が止まったようだったが、「大きな声で埋めてくれ!」と KOUが叫び、楽器陣がアドブリで合わせる。そうそつなくこなす様子は活動してからの 7ヶ月のチームワークの結晶ではないだろうか。

ここまで 6曲を畳み掛けて来たが、「少し、話そうよ。」と KOUのきっかけで MCに入る。話しだしてみたはいいものの、この 7ヶ月を話しだしてもメンバー同士を罵り合うことしかしない彼ら。それも内容は「ブス」やら「スタバおごれ」やら「ゲームのオチを話されたから許さない」など。(笑)どれほど仲が良いのだろう。中学生の頃の友達の家を思い出し、滲み出るほどの暖かさに見ているこちらまで笑みが零れる。

これほどこの人達が集客するのは楽曲の良さだけではないのだなと確信した。なぜなら私までこの空間にまだ居たい、また会いたいと思わせられるからである。その暖かい流れからミディアムテンポで「四人五脚」が始まった。しっとりと歌い上げたと思ったら、後半からは WOD(=Wall of death)で大きな波が起きた。「夢の胸ぐら掴みに今行こうぜ。」という歌詞に合わせて KOUは猟平の胸を掴む。そのままヒットナンバーの『セブンスセンス』へ。会場の雰囲気は一気に切り替わり、張り詰める。爆発的なジャンプで会場を揺らす。2サビ開けの「形在るものは、いつかは崩れる。そんな曖昧な言葉は無くして。限りない道、君を Oの理想郷へと」この歌詞に今日のライブのどれほどが詰められているのだろう。この大きなミュージックシーンの中でバンドは生まれては崩れ、それを繰り返している。もしかしたら、このバンドは終わらないバンドなのかもしれない、一筋の光が見える。そう謳っているよう感じ取れた。

「お前達の傷付いた声を、傷付いたその心を置いていけよ!」 KOUはそう叫ぶと『傷声』へ突入する。CLOWDで一番激しく、ダークな要素もある楽曲だ。先ほどの言葉に応えるようにオーディエンスも会場をアツくする。「今のメンバー、ファン、楽曲、全部が幼い頃に描いた理想郷なんです。そんな一つ一つが今僕の前に 250という星達となって輝いています。そんな星空に願いをぶら下げて。聴いてください、 #夏の微熱。」そう KOUがタイトルコールをする。『#夏の微熱』はスマッシュヒットを記録しており、初回オーダー分は予約完売。CDショップでも入手困難となっている為に追加生産が決定したばかり。駆け出しのバンドの 1stシングルとしては異例すぎる記録を残している。これは個人的な観点であるが、本当に素敵なメロディラインに KOUの声がベストマッチしている。好みかもしれないが、 2015年夏を代表する
1曲なのではないだろうか。「バンドが始まってからこんなに幸せな日はなかった。だけど俺だけが幸せだなんて嫌なんだよ。」そう言ってオーラスに演奏されたのは「キミトボクラ」。「君と僕ら、この一瞬が輝くように願うよ。」そう会場に居た全ての人が歌詞のように願ったであろう。

CLOWDのメンバーはよく言っているがキャパシティなんてミュージシャンにとって一つの商業的な目安でしかないという考え。それは 1周年記念を TSUTAYA O-WESTで迎えようとしている彼らにとっては自らへのハードルという考え方なのではないだろうか。彼らを応援するファンのみんなと夢と希望をこの船に乗せて。


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