昨年8月にアルバム『2014 S/S』で本国デビュー。ひと月後にはそれを日本語で歌い直した『2014 S/S -Japan Collection-』で日本デビュー。今回のツアーは二度目にして初のホールツアーだが、この間、日本でも韓国でも新曲のリリースはなかった。そのため、リーダーのスンユンは「新曲もないし、日本で活動もなかったので、不安でいっぱいだった」と胸の内を明かす。こうした状況の中、果たしてどんな見せ場を作るのか、そして、前回のツアーとどのような違いを見せてくれるのか……?
オリジナル曲の連発にファンはドキドキ&オキドキ
エレクトロな4つ打ちサウンドが鳴り響く中、舞台中央からせり上がって来たメンバーたち。オープニングは彼らを世に送り出したオーディション番組の最終バトル1st ラウンドで歌った「JUST ANOTHER BOY」! 原点に立ち返りながら「Oh, Yeah, Say Winner」でコール&レスポンスで会場をひとつにし、続く「SMILE AGAIN」ではミンホとスンフンが二手に別れて客席を煽りまくり。最後は全員が背中を向けて両手を広げ、その手には会場を笑顔でいっぱいにしようという意思が表れていた。そしてスンユンが「最高に熱く盛り上がりましょう」と語り、ミンホが「盛り上がる準備は出来ましたか? 叫ぶ準備は出来ましたか? Is that true?!」と問いかけると、ファン全員が「Yes, オキドキ(OKの意) よ~」とアンサー。ミンホのソロ曲(ツアー前に彼が出演したラップバトル番組のエントリー曲) のリリックをみんなで唱和した。 会場の温まり具合を確認した5人はボーカルワークの光る失恋ソングを3連発。ステージにはダークブラウンの皮製のソファが置かれ、まだ彼女との思い出に夢心地に浸っていたいという思いを表現するかのように、ミンホ以外のメンバーがあくびをしながら「EMPTY」をパフォーマンス。ジヌとテヒョンは甘いボーカルを重ね、スンユンは拳を突き出しながら情感豊かに歌い上げる。エンディングでは男女の関係の終わりを示唆するように、華麗にフィンガースナップをキメ、続く「COLOR RING」で、スンユンがフロアにマイクを向ければ、会場は「RING! RING! RING!」と声を揃える。会場は熱気をそのままに5人の歌声に聞き入り、テヒョンの呼びかけで始まったファンの合唱にラップがのれば、みんなが演者=主人公に! 3曲目は失恋の痛みよりも、彼女への愛が勝る「BUT」。曲には陽の雰囲気が立ち込め、ファンの手も左右に大きく揺れる。ミンホはラップしながらテヒョンにハイタッチをキメたり、テヒョンは客席を指差しながら歌ったりと、歌だけでなく、仕草でもファンのハートをキャッチ。最後はスンフンがミンホにプロポーズし、前半の幕を閉じた。
YGファミリーがまさかの勢揃い?
WINNERのオリジナル曲で攻めた前半から転じ、中盤はソロ曲とユニット曲へ。まずは星空をバックにテヒョンがスウィート・ボイスで「CONFESSION」を披露。途中、ステージに座り込んで歌い、その姿はファンに語りかけるかのよう。ささやくように「告白しよう」と歌うと空には一筋の流れ星が流れた。テヒョンと入れ替わったのは黒のレザージャケット、豹柄のインナー、穴あきジーンズに黒のブーツと、見た目もワイルドなスンユン。白のスタンドマイクを持ちながら歌った「WILD&YOUNG」でロックなマインドを炸裂させ、その後、テヒョンを迎えて、NANA starring MIKA NAKASHIMAの「GLAMOROUS SKY」をシャウト。膝まずいたり、マイクでステージをノックしたりと、とことんワイルドにパフォーマンスし、テヒョンは最後にステージ上にゴロン。奔放かつエキサイティングにファンを圧倒していく。 ミンホがB-Boyモードでソロ曲「I'M HIM」をラップした後はスペシャル・ユニットの登場だ。採り上げるのは所属事務所YG ENTERTAINMENTの先輩たちの歌。ミンホとスンフンはGD&SOLの先鋭的なトラップ・チューン「GOOD BOY」をカバーし、そこへ昨年のツアーに引き続き、2NE1のパク・ボムに扮したジヌが合流。3人でEPIK HIGHの「UP」を目にも楽しく歌い上げた。
そしてここからがお楽しみタイム。WINNER一座のコント劇場がスタートだ。
ジヌのファッションは黒のストッキングにミニスカートを重ねたセクシー系。髪の乱れを気にしたり、顎の下に両手を当てて“可愛い”ポーズをとったりと、2年目の女装はすっかり板についた様子。でも、どこかにわだかまりがあるらしく、時間が止まるたびに「実は僕、ボムちゃんじゃない。まさかと思ったけど、何でいつも僕だけ(女装なの)? 去年のツアーはお母さんが来たけど……(涙) 僕も格好いいことしたい!」とひとりごちる。そんな彼を囲んで、トラックのCMや「とにかく明るい安村さん」ねたをハイブリッドにミックスしたコントに会場は大爆笑! 3人は芸達者ぶりを見せつけた。
セクシーなR&BでWINNERらしく!
後半はスンユンのこんなトークから始まった。「ここからはまたWINNERらしいステージに戻ります。みんなが考えてるWINNERらしい姿はどんな姿ですか?」
そう問いかけられたファンは一斉に「セクシー」と答え、5人はファンの期待に応えるように「TONIGHT」「DIFFERENT」といったセクシー系R&Bを披露。そしてMCを挟んだ後は、ヒップダンスを始め、楽しさいっぱいの振り付けが魅力の「DON'T FLIRT」、ミンホがカメラに向かって投げキッスをやったり、スンユンがシューティングポーズをとったりと、それぞれが思い思いに弾ける「LOVE IS A LIE」、ポジティブなメッセージをアゲアゲに歌う「GO UP」まで一気に歌いきった。 本編を終えても彼らはまだまだ疲れ知らずだった。スンユンは「もっと遊びたい!」と沸かせてサムアップ! アンコールの予告をし、再び登場して歌ったのは先輩、BIGBANGの「FANTASTIC BABY」! ボーカルのテヒョンはラップのG-DRAGONという意表を突くパートを選択し、オープニングから元気いっぱいのスンフンはコサックダンスで張り切る。ステージもフロアもテンション・マックスとなり、歌い終えた後の「僕たちにはみなさんがFANTASTIC BABYです」(スンユン) という言葉にはみな嬉し泣き! 2曲目の「SMILE AGAIN」ではスンユンがラップにチェンジし、ミンホが彼の背後から援護射撃。フロアはファンのジャンプで縦に揺れた。エンディングの「JUST ANOTHER BOY」でもスンユンが体を震わせながらラップし、最後はミンホと一緒にステージを駆け回りながらの大活躍。ラストはガッツポーズまでキメ、リーダーらしさを発揮していた。
アンコール中に、ファンは「おめでとう!」と一周年を祝い、ステージには「Happy Debut 1st Anniversary」と書かれたビッグなストロベリー・ケーキが! テヒョンが早速ベリーをつまみ食いする中、スンユンは「みなさんもおめでとうございます。みんながWINNERのファンになってくれて、それから1周年だから」と話し、ファンを逆祝福!
またメンバーは共に歩んできたファンにこう感謝した。
「これからも、老若男女が楽しめる公演を作りたい。一生、一緒だよ!」(ミンホ)
「みなさんの笑う姿が本当に綺麗です。今日、みなさんにハマっちゃった!」(ジヌ)
「みなさんが僕たちのエネルギーです」(スンフン)
「みなさんに会った瞬間、不安は全部ぶっ飛びました。いつもそばにいてくれてありがとうございます!」(スンユン)
披露されたオリジナル曲は前回のツアーと重複すれど、曲に込める熱量はパワーアップし、貫禄さえも漂わす。さらにYGファミリーの諸先輩の歌をイイトコドリでカバーし、ゴージャスな雰囲気はまるでYGファミリーコンサート。そんなセットリストも一回り大きくなった勝者(WINNER) だけに許されるワザだ。そしてスンユンは「新しい曲でまた会いに来ます!」と公約。早くも3rdツアーが楽しみになってきた。
ライター:きむ・たく
WINNER JAPAN TOUR 2015
日時:2015年9月9日(水) 開場14:00 / 開演15:00
会場:中野サンプラザ
【SETLIST】
01. JUST ANOTHER BOY
02. SMILE AGAIN
03. EMPTY
04. COLOR RING
05. BUT
06. CONFESSION <ナム・テヒョン>
07. WILD&YOUNG <カン・スンユン>
08. GLAMOROUS SKY (NANA starring MIKA NAKASHIMA )<カン・スンユン&ナム・テヒョン>
09. I'M HIM <ソン・ミンホ>
10. GOOD BOY (GD&SOL)<イ・スンフン&ソン・ミンホ>
11. UP (EPIK HIGH)<イ・スンフン&ソン・ミンホ&キム・ジヌ>
12. SPOILER<イ・スンフン&ソン・ミンホ&ナム・テヒョン>
13. 恋しくて (BEGIN) <カン・スンユン&ナム・テヒョン>
14. MISSING YOU (2NE1)
15. TONIGHT
16. DIFFERENT
17.DON'T FLIRT
18.LOVE IS A LIE
19.GO UP
<ENCORE>
20. FANTASTIC BABY (BIGBANG)
21. SMILE AGAIN
22. JUST ANOTHER BOY
WINNERオフィシャルサイト:http://ygex.jp/winner/
【REPORT】日本でデビュー1周年を祝ったWINNER!初のホールツアーは、YGファミリーコンサート? KSTYLE
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