【REPORT】ファンの目と耳を覚醒させた防弾少年団 甘くて格好いいライブは、萌える姿もアグレッシブなパフォーマンスも!



防弾少年団が初の日本ツアー「防弾少年団1st JAPAN TOUR 2015『WAKE UP:OPEN YOUR EYES』」を開催。2月10日から19日にかけ、東京、大阪、名古屋、福岡の4会場で、計6公演を行った。ここでは東京公演2日目(11日。会場:幕張メッセ幕張イベントホール) の模様をレポート!

「東京、目を覚ませ!」


本公演は昨年末に発売した日本盤1stアルバム『WAKE UP』を引っ提げてのもの。昨年11月に行った日本での初単独公演が、強圧的な教育システムに対する反抗という、防弾少年団のテーマをコンセプチュアルに表現していたのに対し、今回はデビュー以来、確実にステップアップし続けてきた彼らの今、そして、アルバムに込めた音楽性をストレートに伝えようとしていた。


メンバーをステージに呼び込むオープニングはアルバムM1「INTRO」。ファンキーなビートの上にスクラッチ音が舞い、メンバーの「目を覚ませ」という叫びが鳴り響く。ステージ上のモニター画面にはくっきりと開かれた眼が大きく映し出され、これから始まるショーに刮目せよ、とのメッセージが視覚と聴覚の二つを通して伝わってくる。

ファンの興奮を十二分に高めたところで、日本での最新シングル「Danger -Japanese Ver.-」、そして、何度見てもマジカルなキャップ・パフォーマンスに驚かされる「WE ARE BULLETPROOF Pt.2」というテッパン曲が立て続けに放たれた。

そして最初の挨拶はもちろんアルバムについて。

「1stアルバム『WAKE UP』が発売されました」(SUGA)

「聞いてくれましたか? どうでしたか?」(ジョングク)

「本当にありがとうございました」(ジミン)

「今日のコンサートも、やっぱり日本のファンのみなさんのために、最善を尽くして準備しました」(J-HOPE)


「では、みんな一緒に手を上に挙げてください。そして右、左、右、左~。盛り上がって下さい」とRAP MONSTERが呼びかけ、早くも本公演のキモ曲のお披露目だ! 歌ったのはアルバム・タイトルと同名の「WAKE UP」。ラップ・チームがヒップホップへの夢と力強い思いを熱くラップし、ラップパートをボーカルチームが甘く繋いでいく。

ジャジーでエレガントなトラックと、燃え滾るヒップホップ魂をクールに綴ったラップ……ボーカルパートはいくつものバリエーションで演じられ、優しく重ねられていくさまはまるでミルフィーユの如し。最後はジョングクがスウィート・ボイスを光らせ、ここに甘くてカッコいい防弾少年団が姿を現した。



続いて、デビューして2年目の気持ちを綴った「2学年」も本邦初披露。メンバーは、楽しさ溢れるダンスホールのリズムに、両手を合わせてクラップ音を重ねるが、歌に込めたメッセージは「(音楽番組やチャートで) 1位をとったら、成功した歌手? そんなことより僕らは音楽がしたい」と極めて真摯。最後は「Bang it, Bang it」という詞に合わせ、拳銃を撃つシューティング・ポーズをとり、ファイティング・スピリッツを身体で表現する。

さらに彼らはダークな「ヒップホップ性愛者」で、館内の空気をより密に。ジミンはステージ正面手前に腰掛け、メンバー全員が舞台を縦横無尽に活用。「Say Hip Hop」のコールに客席は「Hip Hop」とレスポンスし、エンディングは全員が一つになって「Hip Hop」と唱和。そんなファンをJ-HOPEは「ARMY(防弾少年団ファンの呼称) 達、みんな格好いいです!」と称えた。

シアトリカルなダンスやセクシーな振りも「いいね!」


ジャジー、ダンスホールなど、様々な曲調でヒップホップなマインドを歌った防弾少年団は、次のステージで別の顔を見せていく。

スタンドマイクを使い、厳粛なサウンドにのせて一人ずつ歌っていく「Let me know」は朗読劇のようにドラマティック。正面だけでなく頭上からのカメラも交え、立体感を持たせていく。そしてクライマックスではジミンが膝をつきながら高音フェイクを重ね、流れるように「Tomorrow」へ。シアトリカルなダンスで演じる歌をファンはじっくりと聞き入り、歌い終えた後のトークでは自然とSNSやFacebookの話題に。

ジョングクが「フォローしてくれましたか? いいね、押しましたか?」と語ると、RAP MONSTERも「まだフォローしてない方は、この公演が終わったら、すぐフォローしてください」と続け、その後は公式アカウント以外に個人的にSNSをやっているというメンバーが一人だけいるという話に。コメディ仕立てのVTRで犯人を捜すが、もちろん、これは次の曲への前フリ。

彼らはスクールブレザーとスキニーパンツに着替え、モニター画面にはFacebookのコメント風に歌詞が。Vが「皆さん、この曲知っていますか?」と問いかければ、全員がシングアロングし、最後はメンバーが客席に背を向け、後ろ向きで親指を立てた「いいね」サインをキメる。そして「いいね」ポーズのまま、見どころ満載の続編「いいね!Pt.2~あの場所で~」へ。腰を艶かしく踊る振り付けには黄色い歓声が飛び、エンディングでは背中を向けての「いいね」サインから正面を向いてのピース・サインを繰り出し、フィンガーサインの二段活用! 情景が浮かぶ詞も素晴らしく、特にRAP MONSTERの「燃える恋も水のように流れ、春は遠く、また冬の日が流れる……」という詞とフローは絶品だった。

ファンの萌え心をくすぐるVTRに会場はキュンキュン!


ストーリーテラーとしてのセンスも見せ、ラップでファンを酔わせた後のVTRはもっとコミカル。メンバーが女性日本語教師に恋をするという設定だが、そのシチュエーションがありそうで、なさそう、でも、もしかしたら、ありえるかも、とファンはドキドキ。しかも、アプローチの仕方が面白い。

妖怪ウォッチ体操でアピールするジミン、愛嬌で迫るSUGA、肝心の日本語を間違えるRAP MONSTER、LINEで告白するJ-HOPE、「お前、俺のことが好きなのか?」と勘違い系のV、「ダメよ~、ダメダメ」とひたすら話すジョングク、そして壁ドンのジン……全員が「アウト」を宣告され、無残に玉砕する中、萌えるファンの黄色い悲鳴は鳴り止むことを知らなかった。



メンバーは和らいだ雰囲気をホッコリ・チューンで、なおも暖めていく。そしてホッコリの中にドッキリを入れていくのが防弾少年団流。ベッドに隠れるジョングクが自分のパートで突然姿を現してファンを驚かす「Blanket Kick」は仕掛けが進化。ステージにはベッドが置かれ、彼がいつものように姿を現すかと思いきや、あれれ、いないぞ! そう思った瞬間、ジョングクがステージ中央奥からベッドごとせり上がって登場し、予想を裏切る演出にしてやられる! そしてVの愛嬌には磨きがかかり、会場は笑顔で溢れていた。

二チームに別れた「大人子供」(RAP MONSTER、SUGA、ジン) と「Beautiful」(J-HOPE、ジミン、V、ジョングク) は共に可愛らしいダンスが見どころ。J-HOPE、V、ジョングクのビートボックスとジミンのダンスがイントロになった「MISS RIGHT-Japanese Ver.-」では再び7人が一つになり、「If I Ruled the World」では、「エ~オエォ、エ~オエォ」の掛け声で会場が一つに。終盤、曲を止めてフロアを静めた後は、メンバーがマイクを置き、生「エ~オエォ」! ファンも同じように叫び、この日マックスのコール&レスポンスはアーティストとファンの魂の交感に。メンバーも「マジで感動した」(J-HOPE)、「鳥肌が立った」(SUGA) と嬉しさを隠さなかった。


僕らはARMYのそばで、いつまでも輝き続ける!




ブレザーから黒のラメ入りジャケットにチェンジした防弾少年団はその後「No More Dream -Japanese Ver.-」を始めとしたアグレッシブな代表曲を連発し、駆け抜けるように最後までアゲていく。そのため、「熱気がすごいですね~」(J-HOPE)、「アツアツ」(ジン) とコメントするほどのホットなパフォーマンスとなり、途中、ジミンがやりきったかのようにステージに倒れこむ場面も! ステージ映えするラメ入りジャケットも、今までのストリート感とは違う、タフでゴージャズな印象を覚えさせた。

そして、本編を終えた彼らからモニター上にこんなメッセージが。

「今日、皆さんと一緒にいれるのは、ARMYの皆さんが作ってくれた奇跡だと思います。どんな時だって、どんな事があっても、見上げればあの輝く星のように、光放つのさ。消えぬように、いつまでも一緒です。ずっとそばにいてください。今の様に……」

感動的な言葉は一部、新曲の「THE STARS」から引用したもの。この曲から始まったアンコールではメンバーがフロアに降りてファンと触れ合うという更なる感動が待っていた。また、Vは最高を意味する「大舶」(韓国語で「テバク」と発音) を日本語風に発音した「ダイバク」を連発し、ファンに感謝。フィナーレの「進撃の防弾」ではRAP MONSTERがこの日のキーワード「東京、目を覚ませ」を叫び、一足早い桜の花びらが舞う中、メンバーはファンを絶頂へと誘い、人差し指を天に向かって高く掲げていた。


刺激的なオープニングでファンの目をひきつけ、中盤に甘いナンバーを。それをライブの背骨にしながら前後をソリッドなチューンで挟んで、ファンに明日の活力をプレゼントする……そんな本公演には、甘くてカッコよくてエッジィな、彼らの“らしさ”が爆発していた。


ライター:きむ・たく



防弾少年団1st JAPAN TOUR 2015「WAKE UP:OPEN YOUR EYES」

会場:幕張メッセ 幕張イベントホール

日時:2015年2月11日(水・祝) 14:00 open / 15:00 start


【セットリスト】

01. Danger

02. We Are Bulletproof pt.2

03. Wake Up

04. 2学年

05. HIP HOP LOVER

06. Let me Know

07. Tomorrow

08. いいね!

09. いいね!Pt.2~あの場所で~

10. Blanket Kick

11. JUST ONE DAY

12. 大人子供

13. Beautiful

14. Miss Right

15. If I Ruled the World

16. No More Dream

17. N.O

18. ホルモン戦争

19. Boy In Luv

<アンコール>

20. The Stars

21. JUMP

22. 八道江山

23. 進撃の防弾


防弾少年団オフィシャルサイト:http://bts-official.jp/



元記事配信日時 : 2015年02月19日00時00分 記者 : Kstyle編集部、撮影 : 朝岡英輔




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