いま彼は何を思い、そして何を作り出しているのか?1時間以上にも及んだインタビューでわかったことは、意外な素顔だった。
-テレビでの発言が話題となり、時の人となりました。
326
大きな話題にはなったんですが、皆さんは正直「だろうね」って感覚しかなかったみたいです。昔はみんなが気軽に発言できなかったし、炎上なんてなかった世の中じゃないですか?あの当時は、まだ芸能界というものが「神様の世界」みたいな感覚で、ちょっと距離があったと思うんですよ。コンサートに行かなければ、ミュージシャンに会えないとか、テレビをつけなければ役者さんを見れないとか…っていう時代だったので「ああ、芸能界って怖いな……」みたいな。ボクはもう思いを発信する方法も何もないような状態の20歳だったので、「あれ、これオカシイな?」って思いながら、ハシゴを外されて「あれ?」っていう間に孤立していて、何ならそれ以外の面でも、「オレ、騙されたじゃん」っていう状況に完全に入ってたんです。今だったら、全然違ったんでしょうけど、あの頃って、情報もないし、ネットもまだ普及してなかったので。やっと携帯をみんなが持ち始めた時期なので、本当に20前後の人間としては、夢が叶った瞬間、それが夢だった…みたいな感覚ですね。
-全てなくなったわけですもんね。
326
「あれ?」みたいな感じで、何も残らないというか記憶だけはあるのに、手元に何も残っていないような妙な感覚に襲われまして。で、知らない間に距離が離れていて、テレビや雑誌や新聞などで「19が解散した」みたいな話を見るワケですよ。オレが作って、オレも元々メンバーだったはずなのに、いつの間にか2人組のフォーク・デュオになっていて「あれっ?」と思ってる間に、解散して、いつか戻れるであろうという淡い期待みたいなモノも戻る場所がなくなって…知らない間に宇宙旅行に連れて行かれていつの間にか地球が消えていたみたいな感覚で。ただ、それが幸か不幸かわからないですけど、モチベーションにはつながりました。元々そんなに前面に出ることに興味がなく、裏方でいいとは思っていたんです。裏方ではよかったんですけど「一員」でなきゃいけなかったんです、感覚で言うと。別に監督でもマネージャーでもチームメイトでも、まあ、何でもよかったんですけど、ただ一員でなきゃいけなかったはずなのに、その席がチームになくて「お前、もういらない」って言われて、その状況なのにボクを見にくる人がまだいて「あれ?何それ」っていう状況で、しかも、何がどうなったのか、ボクが裏切った側みたいになってる時もあったので、もう意味がわかんなくて「え~何これ…」って思って。今だったら、「こういう経緯で、ボクはどうもいないらしいです」って、Twitterやブログで一言言ったらもう炎上じゃないですか?でも、その当時は、ブログも勿論なかったので、もの言わぬ死体のように、屍のようにしばらく生きていて。音楽業界で言うとね。でも別に干されたワケじゃないので、その当時もNHKのレギュラーやってたんですよ。何か、だから、よくわからない状態だけど、体のどっかはまだ業界に残っているし、元々そこに対する強い憧れもなかったので、こんなヒドイ仕打ちを受けるとそこに対する固執もまるでなくなり、だけど、一番心苦しいのは、ファンの人が待ってくれてたり、ファンの人がまだ期待してくれてる所で…。「新曲、聴きたい」とか「また3人で一緒にやってる姿が、いつか見れますか?聴けますか?」って言われた時の心苦しさたるやなくて、はらわた煮えくりかえってる状況なのに、それを見せても仕方がないので「いや…ごめんね。オレの執筆が落ち着いたら、ぜひまたやりたいから待っててね」みたいなことを言うワケですよ。まるで、治らない病気って知ってるのに、早く治そうねっていう風に言うような感覚で。あの頃の心苦しさの、主はそこでしたね。
-出演番組などでファンに訴えることも勿論出来ずに。
326
でも、何て言うんだろう…そんな「スゴイ最中」に自分が居たいか、というか注目の的になりたいかって言うと、またそれも違うしね。元々絵描き志望で世の中に出て、音楽やれたこととか、テレビに出れたことなんて、ただのボーナスみたいなもんだから忘れようって思って。でも自分が作った歌が消えるワケじゃないし、未だにボク、普通に車を運転してて、自分の作った曲とか聴きますからね。何にもこだわりはなくて。ねたみとか恨みって感覚を持ってても仕方ないので。悔いがあるとしたら、この時期のこの曲、オレ作詞したかったな、とかがあるくらい。
-じゃあ、逆に世間に訴えるツールがなくてよかったと。
326
まあ、ゴチャゴチャならなくて、良かったのかもしれないです。思いっきり騙されたって言っちゃう可能性もあったし。本当によかったのはその時期って、対等な賃金を頂いていたら、もう何億円ってもらっていたはずなんですよ、きっと。そうすると、働くなる可能性はあるじゃないですか?どんな強いモチベーションでモノを作りたい、作品を作りたいと思っていても、「作んなきゃ、オレ、死ぬんだわ」って感覚があるのとないのとでは違う話で。だから、いい歌を歌わないと、いい本を書かないとオレ死ぬって言われた方が…。シュミレーションで、オレはいいモノ作らなきゃいけないよりも、死ぬんだよ書かなきゃ、とか。自分の子どもを食わせなきゃいけないんだって感覚の方がやっぱ強いんで、そう思うと、あの時期に「金ないわ」って状態になれたのは、スゴイよかったかもしれないです。
-紅白で326さんの絵が出たり、TBSのスポットキャンペーンに使われたりとかで、認知度はすごい高いのに、お金はないってすごい状況ですよね。
326
そうなんですよ。すごかったですよ。まあ、貯金なんてもちろんないし。月20万ももらってなかったのでね。
-その後に、「消える」時期が訪れます。
326
一応、NHKの番組とか出てたんですけど(笑)、ただわかったことは「テレビに出てないと消えたって言われるんだ」ってことで、雑誌にもめちゃめちゃ連載して、本も毎年何冊も出してる状況なのに「消えた」って言われた時に「いやいや、オレ書く人間」ってビックリした時があったんです。作家なんですって説明が必要だったってことは驚きでした。元々イラストレーターって言ってるんだけど「なんで?」って。消えたって言われるし、でも、書籍はデビュー当時よりも、着実に内容で買ってくださる人がどんどん増えていってたので、部数はちゃんと上がっていったりしているのにい、もう意味がわからなくて。「前、いたじゃん。昔、あの」って町で言われた時も「いや、これ困ったな」って。イヤな気持ちとかじゃなくて、困ったな…。違うんだけどな~って。
-芸能人的な扱いですよね。
326
まあ、そのへんは苦しんだってワケじゃないけど、やりづらかったってのはちょっとありますね。
-消えたって言われるのは、どんな感覚なんですか?
326
オレ、まだ生きてるのに、過去形で語られてるっていうのが…。正直「は?」って思う時も、もちろんあるんですよ。で「あっ。すみません」って言われて「あっ悪いこと言っちゃった」みたいにされて、それもまたキツイし。でも、いちいち「この間も本出したし、この本は売れて」って説明もしないですし、だから、何て言うか、修行のような感覚で、穏やかにはなれましたね。こんなことで怒ってもしょうがないし。何かね、逆に、そこで失礼な対応を「あ?」って言うくらいだったら、冗談で返す。「ボクね、昔、カリスマだったんですよ」って言って、「今は地道にやってます。もし気が向いたら、検索でもして、最近のヤツ見てくださいね」って言って丸くおさめる。地道なファンを増やすための活動じゃないですけど、まぁ、そういう機会にもなるなって思って、あんま気にならなくなって。地元だと…田舎に行くとやっぱり、都会よりも声をかけられたりするので、1回ショッピングモールかなんかで、普通にコーヒー飲んでた時に声かけられて、ああ別にいいですよ、って写真撮ってサインも軽くしてたかな…。してたら、お店の迷惑になるから、外出ましょうって言って、外でやってたら、何か人だかりになっちゃって。その時に、もう明らかに興味ないだろう?ていうヤンキーというか、地元の、地元のDQNがいて、パーってきて、「あ~」って写真撮って、ボクの横にやってきて、肩をガって組まれて写真撮って「うぇ~」って。撮ったあとで、「で、お前、誰?」って、真横で言われたんですよ。で、まあ、別にそこに対して「いや、誰でもないですよ」って笑いながら話して「何か、オマエ書いてたな」っつって、明らかに知っているんですよ(笑)。
-なるほど。茶化してるワケですね。
326
「何か書けよ」って言われて、「えっ。何か書くものあったら書きますよ」って言って。で、箸袋出されて。「ああ、ちょうどあるわ」って。で、はい、って言われたから「あっ。じゃあボク油性ペンあるから書きますね」って普通に絵を書いてたんですよ。で、名前聞いて、名前も書いたら、すごく丁寧な対応をしたから申し訳なくなってきたのか、途中から普通になってきて、「はい。できました。小さくてあんまり書けなかったけど、これでいいですか?」って言って渡したら、「ありがとうございます」って最後は礼儀正しくなって。別に威嚇したワケでもなく、嫌みったらしく優しくするワケでもなく、普通に。ただニコニコして、ヘラヘラじゃなくて、ニコニコしていれば、相手にも伝わるし、っていうのをちょっと学ぶ機会がたまたまあったので。で、きっと、こういう人って、普通の人よりも「いや…前に出てた326がいてさ、結構失礼なことしたんだけど、すっげ丁寧にしてくれて、アイツ結構いいヤツかもしんない」って、そういう人の方が言ってくれるかもしれないじゃないですか。言ってくれることを期待してやってるワケじゃないけど。なので、そういう機会もあったし、学べて。気にならなくなったっつーか、結構割とそういう機会を、チャンスみたいな感覚になるようになりましたね。ただ、ボク、屑なんです。例えば、トマト食べれなかったり、茄子も食べれないんですよ。もう、こういうダメな所が直らなくて。直す気もなくて。ダメなんです。ボク、ダメ人間なんですよ。
-食べられないんですか?
326
何かね…いや、これ、食べなきゃ死ぬって言われれば今でも速攻すぐパクって食べれると思うんですけど…。好きな人が食べればいいじゃん、って思っちゃう。
-世間が思っている326さんのイメージと違いますね。
326
そう!だから、テレビ番組のブッキングされた時に言うの「ちょっと、惨めにみえるような何かエピソード探しますね」って。で、がんばって探すんだけど、スタッフさんにも「何か割となさそうですね」とか言われて「いや、ないんです。どうしましょう」って(笑)。
-今は爆笑問題でお馴染みのタイタンに所属はしているんですね。
326
社長が、あの人、ホントに変わってて、あなたウチにおいで、って言ってくれて。「アンタいろいろ大変だったみたいだから、ウチにきた仕事はウチから回すし、仕事を個人でやりたかったらやっていいし、誓約書いらない」って言ってくれて。
-所属っていうだけで。
326
そう。所属って言っていいよ、って。何かあったら守るしって。契約者じゃないのに守ってくれるってワケわかんないじゃないですか。だから、まあ、こういう人だから、こういう風に人が集まってくるのかなって思いますけどね。
-じゃあ、今は割りと生活が苦しいわけではない?
326
最近、引っ越したんですけど、引っ越しで心機一転、いろいろ変えようと思って、いろいろやったら、200万近くとんだんですよ。
-だいぶかかりましたね。
326
ビックリした!もう、15年ぶりの引っ越しだったんで、ほとんどのモノを捨てたんですよ。まあ~捨てるのにお金かかった!ボク、お金、ホント使わないんですよ。まあ、血の気が引いて、オレは200万円も使ってしまったぞ、と。これは頑張るしかない、と思って、それが今年の頭だったので、今年はがんばって、稼ごう、と思ってます。
-家具の買い換えとか?
326
全部15年ぶりだったので。ホント、料理がしたくてしょうがなかったから、電子レンジ買ったり、食洗機買ったり、パン焼き器買ったり。もう、夢を叶えようと思って。ボクちょっと、主婦みたいなところがあるんで。圧力鍋も買って。もう、ボク、料理がしたくてしょうがなくて。
-女子力高目な買い物ばかりですね。
326
気持ち悪いですよね?何かね。
-気持ち悪くはないですけど(笑)、料理好きなんですね。
326
すごい、好きですね。
-15年ぶりってことは、いわゆる19が一番活躍してた頃のモノが入れ替わった感じですね。
326
全部なくなっちゃって。手紙とかも15年分全部取っておいたんです。でも、手紙とかあんまり持ってちゃイケナイよって誰かに聞いて。あんまり念が強すぎるとダメだから、何度か読んだら、もう捨てる方がいいんだよって言われて。だから、「読んだよ、ありがとう」と思って捨てました。だからホントに心機一転。
-それは、テレビにも出て注目を浴びたからの心機一転ではなく?
326
うーん、別にそんなつもりでも…あっ、家買いたいと思っているんです将来。前、住んでた所に買うつもりは全くなくて、もう若者の街みたいになっちゃったんですよ。ボク、恵比寿に住んでたんですけど、前はすごいしっとりしてたんです。それで、ここに買う気にはどうしてもなれないし、で、もう、ノリでどっか好きな場所買うって絶対できないから、何年か住んでみて、ホントに良かったら、買おうと思って。で、今度の街がスゴく良くてスーパーが5つくらいあるんですよ。スーパー、ボク、大好きなんで。駅前に、まあ~、居ますね。最近はスーパーにまあ~居ます。食材新鮮じゃないとおいしくないっつって。
-昔から好きなんですか、料理?
326
好きでしたね。何か楽しい。クリエイティブ。料理って。作るって言うくらいだから。ボク、作るってのは基本的に何でも好きみたいです。
-得意料理はあるんですか?
326
なんだろう。やっぱ、圧力鍋は最強過ぎて。お店でしか食べられなかった、アンチョビキャベツみたいな。ブロックで、1/4とか1/2のヤツをゴロっと出して、それに、アンチョビのソースとかじゃなくて、缶詰から、自分でほぐしてピューレみたいなヤツから、味にして、圧力鍋で柔らかくしたのをフライパンに出して、ちょっと焦げ目をつけるように、焼き色と味を浸透させて、オリーブオイルとかでちょっと味を整えて出すんですけど、それだけだったら、2~3分でできるんですよ。
-本格的ですね。
326
で、ボク、子どもを預かれる資格を持ってるので、いつかは、子どもたちを預かる、塾じゃないけど、いろんなこと教えながら、預かるみたいなヤツをやってもいいかなと思ってて。
-トムソーヤー塾的な?
326
はい。結構ね、ベビーシッターとか1時間1500円くらいするの、知ってました?めちゃめちゃ高いですよ。だから、ボク、0歳児~11歳くらいまで預かれるんで、1日1000円くらいで預かって、お絵かきとかしたりして、多分、その中で生まれる創作とかもあると思うので、そういう風に、何かこう、人間として、生きる中で何かが生まれたり、料理もそうだけど、料理にはまりすぎて、料理の本を出すかもしれないし。そういう中で新しい次の何かを見つけられるんじゃないかなってすごく思っているんです。たまたま、最新の本が「みにくいこねこ」っていう絵本を書き下ろしで書いたんですけど、その絵本が友達の子どもをあやしてた時に「何かお話しして」って言われたんです。「お話し?」と思って、じゃあね、って話を始めたら、知らない話がいいって言われたんですよ。「知らない話?」っつって。なんなら、今作れ、なんですよ。要は。「えっと、じゃあ、「みにくいあひるの子」って知ってる?」って聞いて。「知ってる」「その話は知ってるからしなくていい」って言われて、「だよね」って、「じゃあね、その「みにくいあひるの子」ってさ、どんな話か覚えてる?」って聞いて、「覚えてるよ」って言うから、「一番小さいさ、下の子がさ、お前はみにくい。お前は汚いっつっていじめられるじゃん。その時にさ、いじめられなくて違っても家族だよ、違っても友達、みたいな感じで仲良くしてくれたら、どんな話になるかな?」って。「わかんない。聞いたことない」って言うから、「じゃあ、今からその話をするね」っつって、勝手に「みにくいあひるの子・2」を作って喋ったんです。言われて15秒から20秒くらいかな?で、考えて、わぁ~って作った話。で、その時に、真剣に聞いてくれて、楽しかったんです。ああ、オレ、これ、形にしたいな…って思って。キラキラした宝物が突然空から降ってきたみたいな感覚を自分では覚えて。ひとりの時だったら、絶対に浮かばない話なんですよ。子どもがいて、突然変な球投げられて、取って、返さなきゃイケナイって時に投げたのがスゴイ変化球で、ええ、何コレ、みたいな感じになったので。それを形にしたいと思って。で、「あひる」のままだったら、何となく「あひる」ってそんなに、馴染みがないかなって思ったので、なので、せっかくだったら、子犬か子猫にしようと思って。野原に居そうなのは犬より猫だなと思って、ああ、じゃあ、この『みにくいあひるの子・2』は勝手に猫の話にして、「みにくいこねこ」って話にしよって。もう、ほとんどのことは決まって、内容が決まってるのに、そっから1年かけて書きました。だから、もう出来上がったものを、8割~9割が出来上がって、それを口に出して読んで、読んでる時の気持ち悪さとか、もう、気持ちを入れて「あるところに子猫がいました」って読み方じゃないよねと思って、「あるところに子猫がいました」ってお母さんの感覚で読むよなとか、お父さんの感覚で読むかなって思って、その読みやすさとか気持ちよさとかを、1mmもこぼれないようにするために何度も何度も読んで、もう自分のモノじゃないぐらい、誰かの著作物だって感覚で書くことができたので、そういう意味で、人と出会ったり、人が突然言ったことに対して何かをリアクションするのが、まあ、一番最初の話に戻っちゃいますケド、ボク、やっぱり自分だけが満足する、時代を超越したような何かって興味がなくて、もう5年後は価値がなくなってもいいじゃんって思うんです。でも、ホントにいいものって、何年か後にもう1回見たら、ああこれやっぱいいわってなるじゃないですか?だって「アナと雪の女王」だって時代をものすごく考慮してると思うんですね。だから「妖怪ウォッチ」だってそうだな。流行ってるものって、時代を無視してないと思うので、だからボクのモノの作り方も、時代を無視せずに、今しか煌めかないモノを作って、でもそれがホントに素晴らしかったら、輝き続けると思うので、そういう感覚で作らしてもらって、っていう機会をこれからどんどん増やすために、きっと引っ越しもしたんだと思うし、これからどんなふうに変化していくのかってところがもう、おんなじ場所にいたんだったら、頭ウチだったのでそういう時期だったのかなっていう風にはちょっと思ってます。
-話を聞いていると、母性がスゴく強いですね。
326
母性、強いですね。たぶんね、小学5年生くらいの時に、父親が体を壊して、ボク早くに父親が死んだんで。そんで、父ちゃん死んで、じいちゃん死んで、ばあちゃん死んで。ボク、介護とかお手伝いとか、スゴイ好きだったんですよ。お手伝いで料理を作るのもそうだし、家のことするのもそうだし、介護っていって、自分の家族のおしめを替えたりとかね。ばあちゃんの時は在宅介護だったんで、おしめ替えてあげたりとか…おしめを替えるの、汚いし臭いからイヤだって断られたんです最初は。自分の孫にね、そんな汚いとか臭い思いをさせたくないって言われた時に、やっぱそこで、じゃあ、ばあちゃんは、オレが赤ちゃんの時に、おしめを替えて臭いって思った?汚いって思った?って聞いたら、そんなことを「そんなこと思うわけないじゃない」言ってくれて、じゃあ、オレが思うワケないでしょ。同じだよって。昔してくれたことの恩返しというか、お返しをしてるだけだから、それをされたくないって言われるとオレが困るしオレ悲しいわ、って言って。わかった。じゃあ、これから頼むねって、やらせてもらえるようになった。そういう体験があって…実は過去に妊娠・出産の本を書かせてもらったんです。ばあちゃんの介護の時に、スゴくこれって育児に近いんだなって思って。それで、介護の本よりも妊娠・出産の赤ちゃんとママの本にしたかったんですよ。なぜか、自分ではわからないですけど。そしたらそれが結構売れて。だからやっぱ、自分が変化していくことはとてもいいことなんだなと思っていて。批判されたこともあったんですよ。子どもを産んでない男、結婚もしてない、そんなヤツが妊娠・出産のこと語るなってめちゃめちゃ言われたこともあったんですけど、でも、読んでくれた人で文句言う人とか、女性で怒る人とかはいなかったですね。怒るのは殆んど男の人でした。男のくせに分かるもんかっつって。オモシロかったです。批判ってこういうことなんだなって。だからあんまり響かないっていうか、届かないんだなって思って。そういう時に生きがいをやっぱ感じたし。で、ちょっと妊娠・出産から成長して、子供用の絵本だったり、作品集の方は、やっぱ若者向けというか、人生に悩んでいる人たち向けに書いているので、やっぱ、赤ちゃんとママだけじゃなくて、全ての人にまた目が向いてきたんだろうなーっていう風に、スゲー短いサイクルで、毎年変化してるなーっていう風に思いながら、自分で驚きながら生活してるし、作らしてもらってますね。~後編、いまの326さんが取り組む「じょ~く」については3月7日公開!
元19 326があの騒動の舞台裏をすべて話す
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