その彼女の3つ目の顔が、歌手。昨年末、第56回日本レコード大賞・新人賞、最優秀新人賞を受賞。そして、2015年5月6日に、5月15日ミュージックステーションで生放送ではテレビ初披露となる3枚目の新曲『ありがとうForever...』を自身の作詞作曲で作成した。
いま、最も注目を受ける若手の一人である彼女は何を思うのか?
-今回、発表する新曲『ありがとうForever...』は西内さん自身が作詞、作曲しました。
西内まりや
自分の想いが詰まっている曲なので、ちょっと緊張してます…。
-この曲はドラマ「恋愛時代」の主題歌にもなっています。
西内まりや
どうしましょう?
-どうしましょうかね(笑)。
西内まりや
とんでもないことになってしまいました(笑)。
-今回はドラマ出演もなく主題歌だけの抜擢です。
西内まりや
もの凄く嬉しいです。ドラマを見てる方の反応も気になりますし、歌から私のことを知ってもらえるチャンスですし。
-この曲を初披露したときは、ファンイベントでしたね。
西内まりや
そうです。去年の12月23、24日のイベントで、ファンの皆さんにクリスマスプレゼントを考えたときに、「曲をプレゼントしよう」って思ったのがキッカケです。ホント1ヶ月くらいで作って、でも、まさか発売すると思ってなくて…ファンの子からは「あの曲すごく好きだった」とか「心に残ってるよ」とかすごく胸に届いたって言葉を聞くと、これを形にできたらいいなと思っていたんです。そうしたらスタッフさんから「いい曲だから3rdシングルにしよう」って聞いて驚きでした。
-鍵盤の演奏も自分で?
西内まりや
自分で弾かせてもらいました。最初は打ち込みでやったんですけど、タッチの強さとかやっぱり繊細なので、ピアノって。生のピアノがいいと思って「弾かせてください」ってお願いしました。
-ピアノはプロの方にお願いすることも出来たわけですよね?
西内まりや
実際にライブでは自分で弾くので、プロの方にやってもらうのもいいけど、想いが伝わるのはやっぱり自分で弾くのが伝わるんじゃないかなって思いました。
-西内まりやが詰まっていますね。
西内まりや
そうですね。もう、丸裸です(笑)。これがCDになると思ってなくて、ファンの方や応援してくれてる方たち、スタッフさんとか家族とか友達に感謝の気持ちを込めて作った作品だったんです。なので、詞の中でもすごく赤裸々な本音の部分とか、弱音吐いたりしてる部分とかもあって、西内まりやとしての7~8年間、東京に出てきてからの想いを書いているので丸裸ですね。この曲に関しては、ホントに自分の実体験と自分の想いと感謝のメッセージが込められてます。
-今後も同じように作っていくんですか?
西内まりや
今後は聴く方の想像にお任せするスタイルで楽曲を作っていきたいです。「わたしの実体験です」と言ってしまうと、聴く人はそういう先入観を持って聴かれてしまうと思うので。歌詞や曲を純粋に楽しんで頂けたら一番嬉しいです。
-どっちかわからないように。
西内まりや
実体験かもしれないし、映画を観たり、友達の相談を聞いて作った曲かもしれないし…そうやって作っていきたいと思ってます。
-今回の『ありがとうForever...』が実体験でよかったのって、想いを伝えたいって気持ちがあったからなんですかね?
西内まりや
伝える場所があって、伝えるタイミングがあったから作れたんだと想うんです。そこがなかったらこの曲はできてないし、他の仕事も平行しながらの中で作ってたので、本来なら…もうちょっと時間欲しいってなるけど、「自分から作ります!」っていった曲だから頑張れたし、想いがこもってるし、無理がない…。
-今後って、例えばいま西内さんがTwitterなどでファンと交流して、曲の題材にすることも出てくるのでしょうか?
西内まりや
たまに、問いかけたりしますよ。いま、みんなにとっての楽しみの時間はなに?とか。やりたいことってなに?とか。心を開いていろんな悩みとか書いてくれる方もいるので、そういう方に共感してもらえる曲を作れたりしたらいいなと思うし、だからもうあふれてるなとは思いますね。
-あふれてる?
西内まりや
ネタというか、曲の題材になることが…。自分の中に辞書は少なくて、引き出しも少ないけど、周りにいっぱいあふれてるから怖くない。もっと曲の作り方を覚えて、パソコンを使いこなして作りたいですし、ダンス曲とか、ポップな曲も作ってみたいし、興味はあります。
-影響受けたアーティストは?
西内まりや
クリスティーナ・アギレラさんとか…アギレラさんの「バーレスク」を観て、すごく刺激を受けました。内容も歌手になりたいっていう一人の女の子が、一生懸命に歌を頑張って歌手になっていくっていうストーリーなので自分と重ねていました。自分がいざこうなったら、どんな歌手になるんだろう?って想像しながら観てました。あとは、宇多田ヒカルさんは昔からずっと聞いてますし、あの独特なちょっと日本っぽさと英語をうまく混ぜてる格好良さは好きです。あとは、長渕剛さんも聴くし、桑田佳祐さんも好きだし、ちあきなおみさんや歌謡曲もよく歌うし…。
-以前から、本当にやりたかったことは、音楽だったと話していたじゃないですか?作詞作曲のシングルまで出して、夢が全て叶った感じですか?
西内まりや
まだまだです、これで夢が叶ったって思ってたら、もうないです次が。この作品がたくさんの方に届いて、たくさんの方からもっと聴きたいって思ってもらえて、もっと魅力的に歌を届けられたら、またそれが次につながる。私の中では、西内まりやって歌手として認めてもらえるまでは、まだ夢は叶ってないと思ってます。
-まだまだ、なんですね。
西内まりや
まだまだです…今年はホントにいろんなことにチャレンジして、もっと自分色をみつけて発信していく年になると思ってます。今年は演技のお仕事もあるので。
-「かぶき者 慶次」。
西内まりや
そうです。
-殺陣もやったり?
西内まりや
やってます。スゴイたのしいです、アクション。
-女優業と音楽って密接につながってます?
西内まりや
繋がってるようで繋がってないですし、繋がってなさそうで繋がってると思ってます。
-深いですね。
西内まりや
深いです。全然違うモノなんですけど、やってることは。演技は自分の存在を消さなきゃいけないと思います。他人になりきって、他人の人生を生きるワケなんで。もちろん自分に照らし合わせて演じるところもありますけど、自分の思ってるリアルな感情を話すことはできないんです。歌手っていう部分では、いかに自分をさらけ出して、自分らしくいられるか。自分の色を自分で発信できるかだと思うので、全然違うと思います。でも表現としては似てます。表現者としては、歌詞を届けるときに気持ちを込めて歌うとか、演技をやってるときに発声法とかそれが活かされたり、全部繋がってると思います。元々は繋がってるけど、方向性が違うから、たぶんいっぱいいっぱいになっちゃうんだと思います…。
-いま、いっぱいいっぱいですか?
西内まりや
今まで色々なお仕事をやらせて頂いて、「3つの仕事」を平行するってことがこんなに大変なのかと感じています。
-モデル、女優、歌手。
西内まりや
それぞれ露出するので、下準備とか色々必要じゃないですか?CDを出す前に打ち合わせしたり、PVを撮ったり、ジャケ写を撮ったり、いろんな制作活動をしていく中で、ドラマの撮影をやりながら、モデルの私服コーデを10コーデ買いに行ったり、そのために体型維持をしなきゃいけないけどなかなかそういう時間もなかったり…。平行してやっていくことが、頭の切り替えって大変なんだと感じてます。
-思うように出来ない部分が出てきていると。
西内まりや
そうですね。積み上げていきたいけど2日やったら違う仕事やって…ってなると、なかなかいっぱいになってしまうこともあります。でも、今だからこそ、今しか経験できないことたくさんあるし、今これを乗り越えたらきっと大きなモノが得られたり、他の人にはできないことが気づけたりするかもしれないのでそこは希望をもって、今はひたすらにチャレンジしていくって感じです。
-泣いてしまった情熱大陸は話題になりましたね。
西内まりや
いっぱいいっぱいでしたね、あのときは(笑)。
-反響ありました?
西内まりや
ありました…正直、「ああいうこと」を言うつもりはなかったんですけど、どうしてもいっぱいいっぱいのときに、スタッフさんに結構言われたんですよ「実際どうなんですか?」って。「実際、どう思ってるんですか?」って。「2ヶ月間、密着してきましたけど、西内さん、超ポジティブでいいと思うんですけど」って言われて、本音をさらけ出してしまいました(笑)。
-追い込まれていたんですね。
西内まりや
こっちも、「じゃあ、言いますけど」って(笑)。
-でも、あの本音の言葉は響きました。
西内まりや
ファンの子からも、「あんなまりやちゃん初めて見た」とか、「まりやちゃんも私たちと同じように悩むんだ」って言ってくれて。すごいキラキラして見えてる裏で、悩みを抱えているんだと思うとまた見方が変わった…って言ってくれている声を聞くと、良かったのかな~と思います。
-良かったと思いますよ。ホントに。
西内まりや
ドラマ現場行くと、スタッフさんが優しくなりましたね(笑)。
-気持ちの比重としては、音楽のほうが自分としては強い?
西内まりや
強いです。始めたばっかりだし、ここで手を抜いたら何も進まないじゃないですか?ただ、女優業としてのチャンス、タイミングというのもあると思いますし…。
-西内さんってセルフ・プロデュースするの好きですか?
西内まりや
好きなんだと思います。今まで7年間お仕事してきて、自分の見え方とか、自分に合うものとかわかってきているのかもしれないです。スタッフさんの話や、自分の思いを話つつ相談しながら作りあげていきたいです。自分だけの考えだと偏ってしまうので、そこはスタッフさんの意見も耳に入れつつ、一緒に話合いつつ、いい作品を作っていけるようにこれからも心がけたいです
-音楽という観点で言うと、似ている経歴で木村カエラさんがいるじゃないですか?意識ってします?
西内まりや
セブンティーンの先輩で、モデルさんから歌手になられてる方で音楽も好きです。でも意識したり、真似しようとかじゃなくて、新しい存在になりたいですね。
-新しい存在?
西内まりや
そうですね。今までにない存在に。もちろん、憧れはあります。でも、一緒じゃつまらないと思いますし、一緒なんて絶対になれない。自分にしか持ってないモノがあるし、他のアーティストにしか持ってないモノがあると思うので、そこに気づきたいです早く。自分色を見つけて輝きたい。
-唯一無二の存在になるのって、アーティストの中でも選ばれた何人かですよね。スゴく、険しい道だと思います。
西内まりや
でも、すべて好きなことなので、苦しくても楽しめる自信がある。それさえも楽しめる自信がある。
-「西内まりや」になっていくって、いいですね。
西内まりや
私は自分でいることが、自分でなにかをすることがすごく達成感を感じる人なんですよ。ステージに立って、言葉を発して、何かを伝えたり、音で表現して伝えたり、自分が表現することがすごく好きなので、もちろん演技のお仕事で他の自分になって演じるのも好きだけど、いつかはもっと「西内まりや」をもっともっと磨いていきたいです。
-それは、いま現在で売れている西内まりやが言うからしっかりとした言葉に聞こえます。
西内まりや
まだまだです。本当に。いつまでも売れてるとか思わないんだと思います。世間から見たらどう思われてるかわからないですけど、私は売れてるとか、成功してるとか思ってない。
-自分の中ではまだまだ、だと。
西内まりや
はい。常に目標地点が上がっているんです、自分の。常に満足できないんだと思います。
-それって、元々持っている性格なんですかね?
西内まりや
生まれもったものもありますし、保育園のときから、人一倍、跳び箱を跳びたがったりとか(笑)、もうとにかく人より何かを成し遂げたい人だったみたい。結果を残すと嬉しいし、向上心の塊みたいな。
-バトミントンでも日本一を目指していたんですもんね。
西内まりや
やっぱりスポーツの世界でずっと生きてきて、基礎的な向上心とか忍耐力とか体力っていうのは、人一倍つけられて育ったので、そこはすごい自信はありますね。っていうか、それしかないっていう感じです。
-基礎体力があるのは大きいですね。
西内まりや
あんまり風邪も引かないですし、大きな病気もしたことはないです。基礎体力がないとできないと思います、この仕事は。
-その基礎があるからこそ、色々な西内まりやを表現できるわけですね。
西内まりや
いまは色んなところに出させてもらって、正直、戸惑っている方もいると思うんです。あれ?歌もやって、モデルもやって、演技もやって、いったいどこを目指しているの?って。だけど、私は3つのお仕事が好きですし、今後も続けていきたいので、いつか「これが西内まりやだよね!」と皆さんに思ってもらいたいですし、そういう存在になれるように頑張ります。
-西内まりやならではの芸能界での在り方を掴むために、頑張っているんですね。
西内まりや
これからまた2~3ヶ月経って、自分がどうなっているかわからないです。そのときに、やりたい音楽をやるだろうし、そのときの自分の気分でいいと思うものをやるだろうし。現状維持だけは嫌です。
-常に進化を続ける!
西内まりや
「西内まりや」ってこういうイメージだよね、って思われてたら逆にそのイメージを裏切ってもみたいです。
-皆の中にある西内まりやのイメージを壊していきたいんですね。
西内まりや
そのためには、やっぱり、まだまだ色々と必要なのは自分で一番よくわかっているので。
-そういう強い気持ちがあるから、スケジュール的に苦しくても我慢できるんですね。
西内まりや
そうなんですよ。苦しさとかも、楽しさに変えられるんです。苦しいとか、反発心とか、悔しさとか、怒りとかって一番なにかを生み出すもとに自分はなるんです。
-いまは音楽制作が楽しくて仕方ないようですが、どこかでつまづくときもきそうですね。
西内まりや
どこかでそういう時期はくると思うし、必要だと思ってます。でも、それもステップです。これから想像もできないような色んな経験をたくさんすると思いますが、一つ一つ乗り越えて、どんどん成長していける様に頑張ります。
最も注目の若手、西内まりやはまだまだ進化中
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