今回のインタビューでは、6月17日に発売した『music』について話を聞いている。
―今回の楽曲で驚いたのは『music』という直球なタイトルです。
三浦大知
音楽のことについて歌ってるので、もうそのまま『music』がいいんじゃないかって感じです。
―『music』と付けるとなると勇気がいりませんでしたか?
三浦大知
そういう気持ちも多少ありましたけど、嘘ではないですし。音楽について、音楽に対する思いもあるし、僕の中では前のアルバムも『The Entertainer』って自分で言いきったからにはやらなきゃいけないみたいな。自分で自分のお尻を叩くじゃないですけど、言いきってしまう。しっかりこの音楽を沢山の人に届けられるように頑張るっていうことで、歌のメッセージとしては『music』というタイトルがいいんじゃないかと思って付けた感じでした。
―ここ何作かクール路線でしたが一転した印象です。
三浦大知
この楽曲は去年の夏くらいにできていた楽曲なんですが、あんまり「こういうのが続いてるから次はこうしよう」っていう考えは無いんです。その時その時にグッドミュージックを作っていけたらいいなっていう思いがあって、色々なものを作っていく中で生まれてきた感じですね。だから、自分の中では凄く新しいことをやりたいとかそういう感じではなくて、凄く自然に生まれた曲かなと思います。
―モータウンっぽい仕上がりに聞こえました。最近、洋楽ではソウルやファンク的なアプローチが流行っています。意識はしましたか?
三浦大知
もしかするとタイミングがばしっとハマったって感じなんじゃないですかね。意識はしていなかったんですが。
-MVも印象的ですね。MVのバックダンサーが女性というのも珍しいかと思います。
三浦大知
今回は音楽工場、いわゆる音が生まれていくところを映像化してみようという話だったんです。舞台を工場にした時に、バックダンサーがいつも一緒に踊ってるダンサーだけじゃなくてエキストラダンサーというか色々なキャラクターがいたほうがいいんじゃないかって思って…だから、秘書っぽい女性がいたり、そういうキャラクターは沢山いた方が面白いんじゃないかと思って女性ダンサーも起用した感じでした。とはいっても、前作ではダンサーのKoharu(Sugawara)と一緒に振り作ってたりするし、意外とイベントでも一緒に女性と踊ってたりしてるんです。
-新しい三浦大知を見せるというよりは、この楽曲で楽しくなってほしい気持ちがある?
三浦大知
そうですね。この曲がスゴく普遍的だと思うし、自分のことを知ってる知らない関係なく楽しめるトラックなので、それは凄く音楽の本質的な魅力なんじゃないかなと思っています、理屈じゃないというか。
-子供も盛り上がれそうですね。
三浦大知
そうですね。リリースイベントをやってもお子さん連れで来てくれる方も沢山いて。ファミリーみんなで一緒に盛り上がれるっていうのは凄く感じたので、それは嬉しかったです。
-ライブでの『music』の反響はどうですか?
三浦大知
みんな本当に直ぐ楽しめる感じというか。サビにも掛け声があって、それも練習しなくても一緒に「ヘイ!」って言えるような分かりやすい感じなので、みんな思い思いに楽しんでくれてる感じで嬉しいなぁって思います。
-ライブで1番大切なものってなんでしょう?
三浦大知
色々あると思うんですけど、僕はやっぱり誰でも楽しめるのが1番かなと思います。なので、三浦大知の曲を知らなくてもその曲がリリースされてなくても始めて聴く曲でも楽しめるものが作れたら嬉しいなと思いますね。
-三浦さんの場合は日本でも最高峰に近い歌とダンスという武器があると思うんですけど、比率的にどちらで魅せるという気持ちはありますか?
三浦大知
比率はないですね。もちろんダンスだけで魅せるシーンもあるし、歌だけアカペラのときもある。もちろん、演出によっては色々あると思いますけど、僕のスタンスとしては歌とダンスは同じ感覚なので。
-両方が上手く融合して最高のパフォーマンスを見せられるわけですね。
三浦大知
そうですね。はい。
-例えば、海外挑戦などは考えていますか?
三浦大知
日本でもまだライブをやったことがない地域が沢山ありますし、海外も含め色々な場所でライブを出来るようになったら嬉しいなと思います。あと、ずっと言っているのですが、日本語、日本の音楽というものが世界で普通に流れるようになったらいいな、っていうのは日本人アーティストに生まれた以上は自分が少しでも1ミリでも貢献したいと思います。そういう風に日本語の曲をアメリカでパフォーマンスしたり、それが認められたりするようなアーティストになれたら最高だなと思っています。
-最近ではアジア進出をするアーティストも多いです。
三浦大知
アジアにはライブしに行ったことがないので、行ってみたいとは思ったりしてます。かといって海外に必ず行きたい気持ちが凄くあるかというとそうでもない。しっかり内側から外側に溢れていくというようにした方がいいとは思うので、先ずは日本語で日本で頑張りつつ、その日本の音楽が面白いって言うので海外に色々行けるようになったら最高だなって思ってます。
-国内でかなりLIVEをされていると思いますが、凄くマッチした場所ってありますか?
三浦大知
やっぱり武道館はアーティストの皆さんがいいって言うだけあって、あの規模なのにお客さんが凄く近くて素敵な会場だなって感じたのは覚えています。
-武道館は綺麗ですもんね
三浦大知
そうですね。お客さんの席が段になってて1人1人の顔がしっかり見えるんです。凄く距離が近いですし素敵な会場だなってパフォーマンスしてて思いました。
-武道館はまた近々やりたいなって気持ちは?
三浦大知
やりたいですね! やらせていただけるタイミングがあるならば。
-パフォーマンスについてなんですけど、三浦さんは高めていくなかで気を付けていることは何かありますか?
三浦大知
ダンスだったら「止まる」ことですかね。ちゃんと止まるのは凄く大事だと思います。ダンスって基本的に振付の部分を意識される方が多いと思うので、その振付の部分がしっかり見えてくるためにはしっかり止まってるところから動き出すっていうのが大事だと思います。
-それってどうやったらできるようになるんですかね?
三浦大知
体幹トレーニングとかもあるとは思いますけど、意識の方が大きいんじゃないですかね。それが凄く表現力に繋がると思います。
-歌はどうですかね?
三浦大知
歌は…ダンスももちろんそうですけど、歌もダンスも自分はまだまだなので…自分自身が何かを掴んでるかと言われるとどうかは分からないんです。自分も試行錯誤しながらやってる感じなので。ただ、色んなことができる人ではいたいなと思うので。自分から出てくるものもそうですし、ストーリテラーとして物語を読む側として色んな作家さんが書いてくださった曲を表現できるっていうのも1つだと思うし。色んなことができる歌い手ではいたいなと思います。
-作詞作曲にあまりこだわりはないんですか?
三浦大知
「これやりたいな」とか「これちょっと自分が書いてみてもいいですか?」とかはありますけど、必ずしも全部自分がやりたいかというとそうでもないです。そこまで絶対自分がやらなきゃ自分の音楽じゃないみたいな気持ちはなくて。自分自身を1個の媒体として、自分が発信することもあれば全くフィクションの物語を1つのエンターテインメントに押し上げていくことができたら最高だなと思うので。そこはどちらも表現していけたらいいなと思ってます。
-三浦さんはニコ生のイメージも最近では強いです。
三浦大知
凄く楽しいんですよ!みなさんと近い感じもしますし、あと星野さんが好きですね。なんか優しい(笑)。
-毎回MCでご一緒する星野卓也さんですね。
三浦大知
そうですね。毎回楽しみにスタジオに行ってます。ニコ生って、リアルタイムで色んな人が色んな事を思ってるんだなって凄く分かりやすく知れるツールだと思うので。画期的なシステムだと思いますし、面白いなと思いますね。
-ライブもそうですが、距離が近いのが好きっていうのがベースなんでしょうか?
三浦大知
ニコ生って、ライブに近い感じがあるんじゃないですか?レスポンスがあるというか。「あ、ここでこんな風に思うんだ」とか「こういうポイントが好きなんだ」とか。
-去年の年末にニコファーレで開催したライブも好評でした。
三浦大知
楽しかったですよ。映像も色々作っていただいたりして。あの会場でしかできないことをやらせていただいたんで、面白かったです。
-またニコファーレを会場としても使用したい?
三浦大知
そうですね。またスペシャルなことが出来る時があれば。
三浦大知が「music」に込めた想い
0 Response to "三浦大知が「music」に込めた想い"
コメントを投稿