過去に、「仮面ライダーエターナル」にも変身したことのある彼が、主題歌を歌うことで大きな話題となっている。今回は主題歌を歌う心境、そして縁の深いニコニコ動画について話を聞いた。
-主題歌が決まった感想を教えて下さい。
松岡充
「え、うそーん!?」って感じでした(笑)。だって、過去に2度も主題歌やってるし、なおかつライダーに変身してんじゃん!っていう話なので…いないんですよね、映画の主題歌もやって、スピンオフで自分が主役になって…。ちょっと稀なんですよ、仮面ライダーの歴史の中でも。「主題歌の候補に名前が挙がってきてるみたいなんですけど」って話聞いたときに、「ないでしょ!」って思いましたよ。いや、当然やりたいんですよ、でも多分ないでしょう…って思ってたら本当にオファーが来て。やっていただきたいって言われたときはすごく嬉しかった!でも、なんで僕ですか?って聞いたら、たまたま武道館で行われた「超英雄祭」っていうイベントに初めて出させていただいた時にスタッフさんが見てくれていたみたいで。いままでは、スケジュールが合わなくて出演をお断りしていたのですが、今回は武道館でやるって話で、じゃあせっかくお声掛けいただいて、SOPHIAも活動休止してってタイミングだったし…SOPHIAは武道館で活動休止したので、このイベントでまたすぐ武道館となるので「ちょっと嬉しいな」と思いながら「是非!」って出演をさせて頂いたんです。『W』『cod-E ~Eの暗号~』を歌わせていただいたんですけど、それを見た仮面ライダーのスタッフたちが「やっぱり松岡充しかいない!」ってみんな口々に言ってくれたみたいで。でも、僕はすごく嬉しかったしありがたかったけど、「3度目ですよ?」って思いました。普通、誰か異を唱えるでしょ?って言ったらやっぱり当然そういう意見もあったみたいで…。それは、やっぱり良い意味でも仮面ライダーエターナルのイメージがあるから当然ですよね。そんな中でも、SOPHIAでやった『cod-E ~Eの暗号~』、僕のソロでやった『W』っていう曲もあるし、新しい仮面ライダーを作る上で、新しいキャスト、スタッフ、アーティストって誰もが考えるところではあるんだけど、そこを超えてみんなが押してくれたっていうのが、すごく嬉しくて…。ただ今回は初めて僕の作詞作曲じゃない、仮面ライダーの作品を作ってきた作家チームが作ったものなんです。「こっちのチームで作った曲を歌う事になるんですけど、いいですか?」って言われたんですね。僕は今まで20年間のアーティスト人生の中で、新しい作品を世の中にリリースするときに、カヴァー以外で自分の楽曲、歌詞以外の曲って歌った事がないんです。例えばメンバーが書いた曲であっても100%僕が歌詞を書いてるし、僕の曲だったら僕がもちろん歌詞を書くし。「新作で人の曲かあ、アーティストとしてどうなんだろう?」と思いながらも、じゃあ兎にも角にも一回聴いてみようとなって。で、tatsuoくんを紹介していただいたんです。tatsuoくんのことはゴールデンボンバーのメンバーからも噂は聞いてたし、ゴールデンボンバーを世の中に引き出した人でもあるし、彼らの楽曲をプロデュースしてキリショーの作った世界観っていうのをより響く世界にフォローしてる第一人者なので、当然名前は聞いたことあったんです。でも、会った事なくて。会ってみたらすごくフィーリングが合ったのと、彼の一貫した考え方として「ボーカルが全てなんです」と言ってくれて。楽曲ってやっぱり歌が届かないと意味がないと僕も思っていて、もちろんかっこいいギターベース、ドラム、キーボードっていうのはあるんだけど、アンサンブルっていうみんなでプレーヤーが一つの作品を自分の楽器とかスキルで持ち寄って作品を作るんだから、最高の形にしないといけない。その最終目的地っていうのは、歌がちゃんと聞こえる、歌がちゃんと響くって事なんです。…ってことが彼の中で、確固たる強い意志として、コンポーザーとしてあるんです、ギタリストなのに。あ、この人本当に優秀な人だなと思って、で、曲を聴いたらやっぱかっこ良かったし、僕が歌を録ったらより彼の熱がまた入って、この歌を生かすために!って色んなアレンジ頑張ってやってくれて。同じフィールドで同じ時代を駆け抜けたIKUOくんとJun-jiくんも、意外にセッションとかバンド組んだりとかもなかったんで…もちろん存在も知ってたし、会ったら挨拶程度だけど話したりする同年代の人たちなんだけど、その人たちがここで、しかもtatsuoくんから紹介されて集まって。同じ90年代を駆け抜けて世紀が変わっても未だにバンドを続けてる人たちが集まるっていうのはすごく奇跡的な集まりなんです。そんな我々が、新たにスタートするライダーである泊進ノ介役の竹内涼真くんを応援するっていうのも素敵だなと思って。僕は仮面ライダーの経験もある、テーマソングの経験もある。音楽でサポートするっていうことはすごく良い形だなと思ったんです。
-音楽でサポートっていうのはいいですよね。
松岡充
うん。もちろん俳優業もやって自分も芝居、演技をやってきたけども、今回はソロ「松岡充」でもなく、「SOPHIA」でもなく、その後に始めた僕のバンド「MICHAEL」でもなく、新たな仮面ライダーのためだけに作るこの猛者たちが集まったユニットっていうところも面白みがあったしね。
-今回のユニットMitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEは今回限りのユニットなのですか?
松岡充
そうですね。今のところはそのつもりでやってはいるんですけど、予想以上に盛り上がってきていて、それをメンバーもプロデューサーも実感してるので、なんか作品作ろうか?って実はちょっと今言ってるところなんです。作品を作って、ライブやっちゃおうか?って。それで喜んでくれる人がいるなら、わざわざ期間限定にしなくてもいいと思うし、可能性として僕らもやってて楽しいし、それで喜んでくれる人たちがいるなら、やってもいいんじゃないかな?とは思ってます。
-映画版の主題歌とテレビシリーズの主題歌で違いってありますか?
松岡充
いや、基本的にはないんだけど…期間の違いだけですね。やっぱり映画でやると基本的には映画の上映期間でしか流れない、だけど今回はテレビシリーズなんでずっと流れるんです。1年間、毎週流れ続ける主題歌って大河ドラマかNHKの朝ドラくらいしかないし、スゴイことですよね。
-「仮面ライダー」を経験している自分が、主題歌を務めることで感じるものはありますか?
松岡充
「つながり」。仮面ライダーの世界だけじゃなくて人とのつながりがやっぱり未来を作っていくんだなと思うし、過去、現在、未来っていう3つの区分があるけれども、実は本当は「現在」しかないと思っているんです。「現在」の連続で…物理学的な詳しい事は分かんないけれど、僕は過去っていうのはないものだと思うんで、栄光があったとしても思い出としてしかない。未来に繋がって行かなきゃいけないと思う。それが現実に起きたことが主題歌を僕が歌うってことで、だから過去が現在につながったと思ってます。「エターナル」のときにそういうことをすごく色々感じたんですよ。仮面ライダーエターナル、これです!って言われたときに、青がモチーフなのを見て、自分のテーマカラーが青だと思ってたし、このオファーの来る何年も前に『EVERBLUE』ていうタイトルでSOPHIAの作品を作ってたし、エターナルって僕が初めてデビューのときに付けたSOPHIAのファンクラブの名前だったんです。そういう運命的なものをすごく感じて、で、演じた大道克己の決め台詞の中に「過去が消えて行くならおれはせめて未来が欲しい、だから足掻き続けるんだよ」っていう言葉があるんです。大道克己っていうのは死んでしまったものが生き返って現代の人たちに対してメッセージを叫ぶんです。僕がさっき言ったような、過去っていうのは消えて行くものだから、過去を思いながらも今をどうやって生きて行くか、っていうことが明日になるっていうすごくリアリティのある、僕の生活に凄く響くメッセージなんです。今回は、僕が作品を通して、子供たちにこの言葉を並べて…もしかしたら意味がわからないかもしれないけど、だけど何となくこの音楽流れてきたら元気がでる!みたいな、走り出したくなる!っていうところが伝わってくれればそれだけでもう充分なんです。それはいま、僕が出来ることじゃないですか。それはつながりがあったからであって、過去に仮面ライダーやったからやれること。で、さらにもっと言うと カップリング曲の『sing my song for you~サヨナラの向こう側まで~』っていうのは僕の作詞作曲で作ってくださいってオファーされたんですね。そのときに何を考えたかというと、僕が関わらせて頂いた作品から何作かあるのですが、みんなつながってたからここまでこれたんだ、だったら僕はつながりの曲を作ろうと思いました。で、いつかみんなが仮面ライダーのイベントとかでもそうだし、揃ったときに口ずさめるような曲を仮面ライダーの世界で作れればいいなと思って作ったんです。仮面ライダードライブの主題歌のカップリング曲の中に鎧武の一節を勝手に入れたり(笑)、鎧武は関係ないんだけど…キャストのみんなにイベントで会ったときにすごくいい人たちで、今回は一緒には出来なかったけど良いチームだなと思って…。その良いチームが解散っていうか、テレビシリーズが終わってまたそれぞれの道に行く事が、こっちのスタートにつながって、出会いにつながってるっていう、それってすごい寂しさが喜びにつながる、悲しみがいつか誰かの喜びになるっていう、僕がSOPHIAで歌ってきたことにすごく通じるなと思ったので、それを表現したくて『sing my song for you~サヨナラの向こう側まで~』を作ったんです。歌詞の最後にエターナル、ダブルっていう歌詞と、コードのサビを組み込んで完成させたんです。そんな中で、カップリング曲のプロモーションビデオ撮ろうなんてまずないんですけど、今回は「撮ろう」ってなって、鎧武のキャストと、ドライブのキャストが夢の競演で一緒になって歌いました。で、そこに僕がいるっていうPVを撮って、そしたら「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」のテーマソングに決定しましたってなって!
-PVも豪華ですもんね。
松岡充
ここから別れる事はさよならじゃなくて旅立ちで、また出会うためなんだ、っていうメッセージをちゃんとそれぞれが気持ちとして持った人たちが集まった気はしますよね。で、実現したという。
-エターナルとして仮面ライダーに関わってきた松岡さんが指揮をとったことに意味があったと感じます。
松岡充
彼らにとっては人生の先輩だし、仮面ライダーとしても。だから、信頼してくれて、任せてくれたとこもあると思うし、逆に言うと仮面ライダーファンの人たちも「おおっ!松岡がまた帰ってきて新しい仮面ライダーのサポートするんだ!」みたいな、そういう想いを感じました。僕もライダーは本気でやってきたので、良い形で受け入れられてるっていうのは実感しますね。
-子供たちはエターナルやってた人が歌ってる!って不思議な感じかも知れないですね。
松岡充
そういう部分も平成仮面ライダーの新しい魅力の一つで、ゲームもたくさん出て、ヒーロー大戦とかね。映画でも昭和ライダーと平成ライダーが一緒に戦ってたりとかするし。あれって何でもありやな!って思うけど、でも見ていくとやっぱりそこにちゃんとストーリーを作ってるし、「実は違う星で」とか、すごくつながりを大切にしてますよね。だから、日本が誇る、下手したら3代に渡って愛されるコンテンツになっていると思うんです。そういう世界観って、子供たちは感覚で受け入れられるんじゃないかなと思ってますけどね。
-Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEのPVを見て「かっこいいな」って音楽を始めたりする子も今後出るかもしれないですよね。
松岡充
この間イベントの時に子供たちがめちゃくちゃ食いついてきたんです。普通はね、ドライブと鎧武も出てたんでそっちにワーッとなるんだけど、「主題歌歌ってるお兄ちゃんだ!」みたいに食いついてたんで、興味もっていただいてるんだと思います。
-小学生の時期とかに繰り返し聴いたら忘れられないですよね。
松岡充
吸収しやすいですからね。
-松岡さんはライダーファンにも愛されていますが、ニコニコファンにも絶大な人気があります。
松岡充
元々ドワンゴジェイピーの「いろメロミックス」の時代から付き合っているし、ニコニコ動画が出来たころも一緒にやっていたしね。当時から彼らが思い描いてる未来像っていうものは凄く鮮明だったし、彼らがコンテンツを作る人間として考えてる視野も、僕らアーティストの考え方も近いものがあるなと思ってました。インターネットっていうものに対しての凄く貪欲なまでの能動的な取り組みを当時からしてたんです。まだ、スマホの「ス」の字もなかった時代です。1番最初は僕もファンクラブ組織とか、いわゆる事務所とかマネジメントとかっていう会社同士って部分以外の、アーティストがアーティストらしく、思う存分表現出来る場所ってないのかなって考えていて…フィーリングが合う人に届けたいって思う場所があってもいいんじゃない?っていう気持ちがあったんです。それをインターネット上に求めてたのがドワンゴのチームだった。僕は、すごくそこにロックを感じたし、僕は僕でインターネットを主軸にあらたなクリエーターたちが集まってマネジメントとかも飛び越えて、メーカーも飛び越えて、インターネットの世界だったら良くない!?って言って、ネットにステージを求めてたので、共感してました。そんな中で、ドワンゴがどんどん大きくなって、会社がっていうよりも、やる事が、仲間が増えていくっていう事を凄く近いところで見ていて、ニコニコのスタートくらいのいわゆるメジャーアーティストっていう人が、ニコニコ動画で番組をするっていうことがあんまり考えられなかった時代から付き合っていて。一緒に番組作ってニコニコ動画だから出来ることっていうものを考えながら、ニコ動ユーザーのことを一番に考えながら作ってきて…それでもやっぱりゲームだったりアニメだったりっていうのが、特性的に一番栄えるというか。やっぱりアーティスト、メジャーっていうものに対してすごく嫌悪感があるユーザーもいたと思うし、アマチュア・インディーズ・ユーザーから生まれたスターっていうものが育っていってましたからね。でも、「大会議」を見て「あ、これはもう俺出てもいいな」って思って…出てもいいなっていうのは上から目線じゃなくて、多分この子たちとつながれると思ったんです、ニコニコのユーザーたちと。それで出たのが「超パーティー」。だから、ずーっと一緒に走ってる気がしてます、ニコニコとは。勝手に僕が思っているだけかもしれないけど(笑)。一見すると、ニコニコらしさは僕にはないと思われるかもしれないけど、僕はもっと根本のところでニコニコの世界と繋がってる気はしてますね。
-分かりやすいニコニコっぽさっていうものじゃないっていうことですよね。
松岡充
なんか、スピリッツというか根底から湧き出るものが当時から共通してるなと思って。一緒にやらせていただいてます。
-SOPHIAとしてメジャーデビューしている松岡さんがニコニコ出るっていう事は当時はハードルが高かったですか?
松岡充
周りのみんなはそう言ってたけど、僕は全然思ってなかった。ただ時期とタイミングはあるなと感じてましたね。
-今となっては身近ですね。
松岡充
もう、あいつまた出てくるぞ!みたいな感じでしょ(笑)。
-今後ニコニコでやりたいことなどありますか?
松岡充
来年中に、ニコニコユーザーを涌かせる事をMICHAELはやります。来年中には絶対にやります。また多分取材していただけることになると思いますよ。もうそれをずーっとやろうっていう準備もしてるんですけど、なかなか出来なかったんです。それはまあ僕らしか出来ない事だろうっていうことなんで。
-それはまだベールに包んでおいた方がいい?
松岡充
そうですね、もう絶対やるって僕の中で確定してるので、本当にそれが皆さんに提示出来る形になってからの方がいいかなと思いますね。でも来年中には絶対にやります。「えっ?そんな事出来ないでしょ!」っていう言葉は多分ニコニコの世界にはないと思うので、なんか今までにない事をやりたいと思います。楽しみにして下さい。
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松岡充が感じる「仮面ライダー」「ニコニコ」とのつながり
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