The Verbsは、The Rolling Stonesの作品への参加や、エリック・クラプトンのツアーメンバーとして知られるドラマー兼プロデューサーのスティーヴ・ジョーダン(Dr)と、その妻のミーガン・ヴォス(Vo, G)を中心とした夫婦バンド。現在は奥田(G)と、エリック・クラプトンやデヴィッド・ボウイらと共演経験を持つウィリー・ウィークス(B)を含む4人で活動している。
なお奥田とスティーヴは、奥田のソロ1stアルバム『29』のレコーディングで出会って以来の付き合いで、2人は約20年にわたって親睦を深めてきた。またThe Verbsは過去2回にわたって来日ツアーを行っており、奥田は2006年のツアーにはゲストギタリストとして、2010年のツアーではバンドの正式メンバーとして参加している。
そしてThe Verbsにとって約4年半ぶりとなった今回の2公演。Club Nokiaで開催された17日のライブは、スティーヴがスペシャルゲストとして参加したドラマーコンテスト「Guitar Center's Drum-Off Finals」でのゲストパフォーマンスの枠で展開された。
22:30という深い時間にも関わらず、大勢の観客が熱狂的な拍手と声援で4人を歓迎した。この日披露されたのは、3月18日に日本盤がリリースされるニューアルバム『Cover Story』からの楽曲を含む5曲。時間が経つにつれて4人の生み出すグルーヴは一体感を増し、ラストナンバー『Silent Man』では奥田が体を心地よさそうに揺らしながら、スティーヴの叩くタイトなリズムにあわせて豪胆なギタープレイを炸裂させた。
アメリカ初ステージを無事終えたThe Verbsは、翌々日の19日はロサンゼルス市内にあるライブハウス・The Hotel Cafeでライブを開催。
会場には今年から広島東洋カープへ復帰する黒田博樹投手からの花も届き、さらにジョン・メイヤー、ワーワー・ワトソン、ジム・ケルトナーといったアーティストがライブに足を運ぶなど、The Verbsの注目度の高さをうかがわせた。
19:00を少し過ぎた頃、拍手と指笛や歓声に迎えられたThe Verbsの4人はミーガンの「Good evening!」という挨拶を皮切りに2ndアルバム『Trip』の収録曲『World's A Mess』からライブを開始。17日のライブを経て、4人のアンサンブルはよりグルーヴィかつ強固なものとなり、序盤からダイナミックなパフォーマンスが繰り広げられる。
中でもThe Kinksのカバー『Till The End Of The Day』では奥田の奏でるギターを軸にアウトロではインプロビゼーションが展開され、4人の息の合ったプレイが満員のフロアを大いに沸かせた。
MCではミーガンがメンバー1人ひとりを丁寧に紹介していく。「OT on guitar! Hiroshima!」と彼女が奥田を紹介すると、彼は手を振りながら少しおどけて会場の空気を和ませる。
その後はウィリーと奥田がアイコンタクトを取りながら太く重いグルーヴを生み出した『Baby Blue』、艶やかな歌声が味わい深い『Black Is Black』など、『Cover Story』からの楽曲を中心にライブは進行していく。ときにはフロアから「サイコウ!」という片言の歓声も飛び交い、さらにミーガンが「OTのファンは?」と問いかけると「タミオー!」という声援が起き、奥田が満面の笑みを浮かべる一幕もあった。
なおライブは8曲目の『I'm Not Lisa』で終了する予定だったが、スティーヴの「One more!」のひと言でThe Verbsのオリジナル曲の中でもひと際パンキッシュな『Hey, Hey, Uh-Huh!』がスタート。スティーヴのタイトでエネルギッシュなドラムにミーガンがハスキーで甘い歌声を乗せる。
さらにスティーヴと奥田も息の合ったコーラスを響かせ、アウトロではメンバーが視線を交わしながらそれぞれの音をアドリブを入れながらぶつけ合う。
奥田は前のめりの姿勢で切れ味の鋭いカッティングを奏で、曲のクライマックスを彩った。約50分のライブを終えた4人は満足げな表情で肩を組むと、オーディエンスに向かって感謝の思いを表現。そして熱い歓声と拍手を浴びながら、The Hotel Cafeのステージを降りていった。
アメリカ初ライブを大成功に終えた奥田は「あんまりアウェイ感はなかったかな。面白かったし、明日にでもまたアメリカでライブをしたい!」と今後の意欲を明かした。
また気になるThe Verbsの今後だが、スティーヴが「『Cover Story』のリリースにあわせて来日ツアーもしたい」と明言していることから、現体制での日本ツアーの実現もそう遠くはなさそうだ。
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奥田民生 50歳イヤーにアメリカ初ライブ大成功「明日もやりたい」
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