「カメレオというバンドを人生賭けて守る」渋公ワンマンでHIKARU.宣言

1月17日(土)、カメレオが“3周年記念3DAYSライヴ「めちゃ×3みなさんのおかげでした!」”の2日目公演を、渋谷公会堂にて行なった。

2012年の始動以降、様々な曲調を自由奔放に操りつつ、リスナーには感謝を、世知辛い世の中には毒を吐くポップでキャッチーな楽曲と、何をしでかすかまったく予想がつかないライヴで、ヴィジュアル系シーンを一気に駆け上がってきているカメレオ。


中でも、バンドでありながら楽器を置き、5人全員がマイクを持って歌って踊るという、ロックバンドのお約束事を破るかのようなパフォーマンスは、観る者すべてをハッピーにさせ、多くの人々を“カメコ・カメオ化”させている(カメコ・カメオはカメレオファンの愛称)。


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そんな5人ボーカル曲をコンプリート、果てはメンバーのソロ楽曲までをも収録したベスト盤『5 BEST』をリリースしたばかりの彼らが、毎年恒例となっている感謝祭ライヴを行なった。


結成3周年ということで、3デイズで行なわれた今年の結成記念ライヴ。


その初日公演は、彼らが始動ライヴを行なった会場である池袋BlackHoleにて開催。会場定員数を大幅に上回る、文字通り桁違いの申し込みが殺到したプレミアムライヴの1週間後、2日目公演の舞台となったのは、カメレオ史上最大キャパとなる渋谷公会堂だ(尚、最終日には、同じく渋谷公会堂にて主催イベントを開催)。


5人はライヴをスタートさせるやいなや、『評論家的ダンスナンバー』『で?』『オセロゲーム』とアッパーチューンを立て続けに投下。会場の興奮を一気に高め、「序盤から飛ばせるか!?」と、HIKARU.(Vo.)も激しく客席を煽る。すると、メンバー達は楽器を置き、早くも5人ボーカル曲である『変幻×自在+連鎖反応=∞』へ。「カメコ・カメオだけじゃなく、スタッフ、関係者全員を楽しませたい」と、MCでこの日の意気込みを語っていたが、それを体現するように、ここまで培ってきたすべてを見せつける熱いステージを繰り広げていた。


ライヴ中盤には「今年も懲りずにやっちゃいます メンバーソロコーナー」が敢行された。これは、昨年日本青年館で開催された2周年記念ライヴでも行なわれた企画で、今年は、アルバム『5 BEST』に収録されている各メンバーが作詞、作曲、編曲、そしてボーカルまでをも務めたソロ楽曲を、サポートメンバーの演奏で披露するという「良い意味でヤバいのか、悪い意味でヤバイのかは定かではない無謀な挑戦」をするというものだ。


昨年のプレイバックとメンバーが意気込みを語ったコメント映像の後、ソロコーナーはHIKARU.の『Jump!!』からスタート。ドリーミーかつメルヘンなサウンドと、どことなく内省的な歌詞のギャップが印象的なこの曲を、ウサギの被り物をしたバックダンサー達がさらに拍車をかけ、より不思議な世界観を渋谷公会堂に生み出していた。


続いてステージに登場したのはギターのDaisuke。ヘヴィなバンドサウンドに劣等感を打ち破りたいという想いを綴った「スマイル」で客席を熱く盛り上げると、次のTakashiは、日頃コツコツとやるのは得意だけど、思い切ったことができない自身の性格を鼓舞するダンスチューン『典型的なA型』を披露。メンバーが「いつの間に覚えた!?」と驚くほど完璧なダンスを見せつけた。


そんなダンサブルなサウンドとは一転、疾走感のあるバンドサウンドで魅せたのはベースのKouichi。二度と会えなくなってしまった恋人に対し、激しい自責の念にかられる男の姿を描いた『大馬鹿者』を、マイクスタンドを握り熱唱。


そして、昨年はトップバッター、今年はトリを務めるドラムのTakeshiが歌う『食べもののうた♪』へ。ヘヴィとポップを縦横無尽に行き交うハッピーチューンの途中で「タオルを回して! 手をつないで! タオルを回すだけじゃ物足りない人は頭ぶんまわせ!」と、観客を煽りに煽るTakeshi。ラストはオーディエンスだけでなく、メンバー、ダンサー全員がステージ上で肩を組んで大合唱をするという、見事なまでの大団円となった。


HIKARU.「バンドなのに楽器を弾かなかったり、こうやって歌って踊ったりしていると、ブーブー言ってくる人達がいるんですよ。でも、結局何をやったところでブーブー言われるし、もしかしたら何もやらなくてもブーブー言われると思うんですね。だから僕達は、これからも自分達の好きなようにやっていこうと思います!」


堂々たる宣言を支持するように、客席からは大きな歓声が沸き起こっていた。


そんなカメレオはこの日、次なる一手として4月1日に2015年第一弾シングルをリリースすることを発表した。タイトルはこの日明かされなかったものの、現時点でどんな楽曲になるかは決定しているとのこと。アンコール中に流された映像でTakashiが話すには「2672名のフルオーケストラ」を導入して、「ミュージックビデオの後半でオーケストラの人達全員がロボットダンスをする」そうだ。


また他のメンバーが話していた情報をまとめると「3曲目はTakashiの母親が作曲を、甥っ子が作詞をした。だから歌詞はひらがなばっかり」とのこと。まぁまず間違いなく全部ウソだと思うので、後日ホームページで発表される詳細を待ちたい。


そんな新シングルに続き、次回のワンマンツアーとして“カメレオ ワンマンツアー2015「47都道府県に会いに行くバンドマン」”を行なうことを発表すると、会場からこの日一番の歓喜の声が沸き起こった。


このツアーは、4月10日に開催される高田馬場AREA公演を皮切りに、約半年間かけて全国47都道府県を走破するというもの。昨年彼らが行なったワンマンツアー「会いに行くバンドマン」が23会場24公演(ツアーファイナルZepp DeiverCity『会いに来てほしいバンドマン』公演含む)なので、その倍の規模になる。Kouichiは「楽しいことばかりじゃないと思うけど、鍛え上げて帰ってきます」と、意気込みを熱く語っていた。


ライヴもまもなくエンディングに差し掛かり、3周年を迎えられたことの感謝や、まだまだ新しい挑戦をしていきたい、カメレオと向かい合ってくれた人達全員ハッピーにしていきたいと、4年目への意気込みを話すメンバー達。中には涙で目を潤ませながら話す者もいて、客席も真剣に話を聞き入っている。


HIKARU.「ご存知の方もいると思うんですが、僕達5人は昔、同じバンドで活動をしていて。その前身バンドは、3周年ライヴが解散ライヴだったんです。今回、カメレオとして解散ではなく、可能性のある3周年を迎えることが出来て本当に嬉しく思います。でも正直、いつまでバンドを続けられるのかは分からないと思っていて。端から見ていて、“あのバンド、勢いあるな”と思っても、1年後にはいなくなってしまうこともあるじゃないですか。だから、みんなも不安になることはあるかもしれないんだけど、僕は、カメレオというバンドを人生賭けて守って行きたいと思っています」


そして最後に、「これまでの感謝を込めて送ります」と、『5/5』と『はじまりの歌』を、2曲続けて披露した。『5/5』は結成2周年記念、『はじまりの歌』は結成1周年記念に合わせて発表された、彼らにとって思い入れのある曲だ。そしてこの2曲には、ある同じ言葉が綴られている。


HIKARU.「人間、生きていたら辛いことや苦しいことがあると思います。そんなときに、みんなの背中を全力で支えられるような、そんな音楽、そんな活動をしていきたいと思っているので、応援よろしくお願いします! どんなことも一緒に乗り越えて行こう! 俺らまだまだこんなところじゃ終われねえから。まだ“みんなに見せたい景色”が俺の頭の中にいっぱいあるから。それをいつか必ずお前らに見せてやるからな! これからも絶対についてこいよ!」


いままで見たことのない景色を いつか君にも見せてあげたい──。4年目に突入し、逞しさの増したカメレオは、歌詞に綴られたその言葉を胸に、これからも走り続けて行く。


☆カメレオその他の写真は



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