去る11月下旬、多彩なゲスト陣を招きながらの赤坂BLITZでの5夜公演を大盛況のうちに終えたばかりのJが、2014年のラストライヴをこの場で行ない、ダイ・ハードなファンで埋め尽くされたフロアは例によって“灼熱天国”と化し、鳴り止まない声援に応えて予定外のダブル・アンコールが披露されるほどの過熱ぶりとなった。
『rodeo life』で幕を開けたこの夜のライヴ。2曲目でいきなり『PYROMANIA』が炸裂した以降もキラー・チューンの数々が惜しみなく連射され、さらには前述の5夜公演の際に初披露された新曲(タイトル未定)も登場。
アンコールの最後の最後、駄目押しのごとく演奏された『BURN OUT』の歌詞が示すように、場内に充満する熱は一瞬たりとも途切れることがなかった。そうした意味においては、いい意味で“いつものJのライヴ”としか言いようのないものだったわけだが、J自身のテンションが、普段とは少しばかり違っていた。そう、この公演の2日前に公表された通り、1997年の『PYROMANIA』当時から約17年間にわたって重低音の効いたギター・サウンドで彼を支え続けてきた藤田高志が、年内をもってこのバンドを勇退することが決定。そうした事実もあり、この日は普段にもまして藤田に向けられた歓声が目立っていた。
勇退という言葉が示す通り、藤田がこのラインナップから外れるのはあくまで発展的なことであり、今後はDFF(Dessert Flame Frequency : 2010年にJがバンド・メンバーたちとともに立ち上げたアコースティック・プロジェクト)の再始動に関わっていくことになるという。
また、この夜のステージ上では、Jの口からも、さらなる音楽的進化/深化のために彼自身が藤田に今回の一件を持ちかけた事実が認められた。実際、J自身も迷いに迷い、躊躇をおぼえながらの提案をしたのだという。しかし藤田は、すぐさまそれを快諾。さすがにJの発想に間近で触れ続けてきた理解者ならではの同意といえるだろう。
Jにとっての2014年は、このライヴを経て、さらに大晦日に行なわれた原宿アストロホールでのカウントダウンライヴ(FC会員限定)をもって終了した。記念すべき通算10作目にあたる次なるアルバムの制作も水面下で着実に進められているという話だし、5月には「ZERO」というキーワードが掲げられたスプリング・ツアーも決まっている。もちろんDFFとしての動向も気になるところだし、今年も早々にLUNA SEAとしてのホール・ツアー後半戦もスタートする。加えて、藤田が本格再始動に乗り出しているDOOMの動き(1月12日には川崎CLUB CITTAでのライヴが控えている)にも注目したいところだ。
2014年も音楽シーンに火を放ち続けてきたJ。今年は、さらにそれが大きな炎になっていくことだろう。「次に会うときまで、何があってもくたばんなよ!」というメッセージは、あのフロアに居合わせることができなかった全国の同胞たちにも、確実に届いていたに違いない。
TEXT:増田勇一/PHOTO:MASA
J 2014年ラストライヴで完全燃焼、2015年新たな挑戦へ
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