Berryz、有終の美を飾るべく駆け抜けた4日間。ハロー!プロジェクトメンバー総出演の最大級のお祭りとなり、一つの歴史を刻んだ。
終わりあれば、始まりもある。1日目、スタートを飾ったのは研修生。ダンサンブルなナンバー『Say! Hello!』で会場の勢いに火を点ける。曲終わり、8人を残しステージをはける研修生。ステージ中央に陣取った8人、ハードなリフが場内に響き渡り。研修生による新グループ・こぶしファクトリーのライヴが始まった。1月の結成、2月25日にグループ名が決まったばかりのタマゴたちは大会場での初舞台に物怖じすることなく、切れ味の鋭さと力強さを併せ持ったダンスで魅了すれば、ミドルティーンの少女たちとは到底思えないほどの歌声を放った。
その中で一際、鋭いまでの正拳を突き上げる、一人の少女。
浜浦彩乃。14歳。この若さにして研修生歴約4年の大ベテランだ。
彼女がこの世界に飛び込んだのは小学4年の頃。幼少期、テレビで観た『LOVEマシーン』を観て以来モーニング娘。に憧れていた彼女は、9期生オーディションが開催されていることを知り、応募。惜しくも手は届かなかったものの、2011年2月に研修生への加入が決定した。
スラリと伸びた手足、キリリとした瞳。真っ直ぐさと愛嬌さを兼ね備え、愛らしいハイトーンボイスの持ち主である“はまちゃん大佐”が、研修生人気メンバーになるにはそう時間はかからなかった。
2012年秋のスマイレージライブツアーにチャレンジアクトとして帯同したのを皮切りに、持ち前の運動神経を活かしたダンスに表現力も着実に加わり、次第に中心メンバーの1人と期待されるようになる。2013年冬、YouTubeのハロプロ研修生オフィシャルchにて「研修生のエースになりたい」という意思の強さを感じさせる発言も飛び出し、精神面の強さも得た。1年間の活動成果を発表する「ハロプロ研修生発表会2014」においても審査員特別賞・歌部門を獲得。マスコット的愛嬌の持ち主から、実力者として日々成長を遂げ、次代のハロプロを担う存在として期待を寄せられるようになる。
エースの1人として輝く浜浦。しかし彼女の道は決して順調ではない。研修生としての4年間には、常に大きな壁が彼女の前に立ちはだかっていた。
モーニング娘。の新メンバーオーディション10期、11期の双方を受験するも彼女の望みは叶わず。11期オーディションにおいては、後輩だった小田さくらに機先を制されることに。2013年に誕生した新グループ・Juice=Juice結成の際も、後輩であった植村あかり、金澤朋子がメンバーとして選ばれる中、彼女の名前はそこになかった。
2014年秋に行われたモーニング娘。12期の選考、続くスマイレージ(現:アンジュルム)3期生にも声がかかることはなく、カントリー・ガールズ結成報告の際も涙を飲む結果に。浜浦は仲間たちが巣立っていく姿を、じっと見守り続けた。
その時の心情を、後にブログでストレートに吐露している、「辛かったことは、後輩がデビューいていくことです!」と。
それでも負けなかった。あるインタビューで浜浦は「いつ誰が選ばれてもいいようにパフォーマンスを磨こうと努力してるんです この先、新たなユニットができるとしたら、その時は絶対に選ばれたいです」と、逆境の中でも前を向き続けた。
そして、1月にこぶしファクトリー結成の時を迎える。結成報告の瞬間はハロ!ステ♯99にて確認できる。この時、浜浦と共に長い時間を過ごした同期の田口夏実は嗚咽を漏らすほどの涙を流し喜びを分かち合った。苦労人がようやく報われた瞬間だった。
そして冒頭の初ライヴに繋がる。曲が終わり、達成感と共に笑顔ともキメとも言える、清々しい表情を浮かべるメンバーたち。1人、キッと引き締まった浜浦の顔が印象的だった。この表情だけでも彼女のグル―プにかける姿勢が表れている。
今年の抱負を「みんなに知ってもらうこと」とハロ!ステで語った浜浦。彼女の言葉の通り、きっと2015年に多くの人がこぶしファクトリー、そして浜浦彩乃を発見することになるだろう。
(田口俊輔)
すごすぎる新人「こぶしファクトリー」浜浦彩乃とは?
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