DEZERT狂乱ライブ「ニコ超でも、ポールでもなく選んでくれてどうも」

2015年4月25日(土)、DEZERTがTSUTAYA O-EASTにて「DEZERT ONEMAN LIVE「嘔吐のすゝめ -2- 」」を行った。

狂気的で壮絶な歌詞が綴られたヘヴィなサウンドと、凶悪なまでに激しいライヴが口コミで広まり、ヴィジュアル系シーンで話題を集めているDEZERT。

昨年11月にリリースした 1st アルバム『タイトルなし』も好評な中、現在入手不可の音源をまとめた完売音源集『暫定的オカルト週刊誌(1)』をライヴ会場限定で発売するなど、凄まじい快進撃を続けている彼らが、今年1月に開催した TSUTAYA O-WESTワンマンのチケット即日完売を受け、道を挟んだ向い側である TSUTAYAO-EASTで追加公演を開催。倍以上のキャパとなる会場のフロアには、現在の注目度を物語るように多くのオーディエンスが詰めかけた。

20150427-dsc_5260.jpg【クリックで大きな画像】

SE として、ビートルズの『Yesterday)がエンドレスリピートされている会場がゆっくり暗転すると、怒号のような歓声がフロアから飛び交う中、SORA(Dr.)、SaZ(Ba.)、キラ(Gt.)が、ひとりずつゆっくりとステージに登場。そしてしばらくした後、千秋(Vo.)がやや足早に姿を現わすと、「今日も生きてるか? はじめましょう。」と「「絶蘭」」でライヴは開幕。重厚かつ獰猛な音塊をフロアへ放つと、オーディエンス達は激しいヘッドバンギングで応戦し始めた。

そんなフロアの熱狂をさらに引き上げるように、4人は間髪いれずに『メリーさんの自殺未遂』をドロップ。「ここまで来い! 押せ! 殴れ! 蹴れ! 殺せ! そして、死ね!」と千秋が激しくフロアを煽る中、キラが極悪な不協和音を轟かせ『大塚ヘッドロック』へ。激しいモッシュをフロアに巻き起こしていたが、そんな轟音で攻め立てる激しいステージが繰り広げられる中でも、楽曲が持つ耳に残るメロディーをしっかりとこちらへ響かせてくるところは、DEZERTの強みのひとつでもあるだろう。

また、そんな狂乱を巻き起こしつつも、『さぁミルクを飲みましょう』では、ギターをかき鳴らしながら、ときに囁くように、ときに激情的に歌い上げ、言葉を客席へぶつけていく千秋。そこからも感傷的な『さくらの詩』へと続け、フロアにカオスを巻き起こすのみでなく、儚くて繊細な一面も持ちあわせているDEZERT の音世界でフロアを圧倒していた。

そして、「ニコニコ超会議でもなく、ポール・マッカートニーの東京ドームでもなく、渋谷を選んでくれてどうも。一人じゃ遊べねえから、もうちょっとみんなで遊びませんか?」と千秋が告げた後、ライヴは再び地獄絵図の様相を呈していった。『ストロベリーシンドローム』では SaZ がパンダのかぶりものをしてフロアを挑発すれば、『チョコレートクリームチェーンソー』では、千秋が拡声器を使ってフロアの狂乱を煽動。『ゴシック』では、 SaZ がベースを千秋に預けてフロアを練り歩き、オーディエンス達と一緒に暴れ回っていると、 Saz の代わりにベースを弾いていた千秋もそれを置き、フロアの中央に設置された柵にあがり、オーディエンスを激しく煽る。そこからも「「教育」」「「秘密」」と凄まじい勢いで突き進み、ヘヴィミディアムな「「擬死」」へと辿り着いた。

レポート用に手渡されていたセットリストでは、この「「擬死」」で本編が終了する予定だったのだが、バンドはそのまま演奏を続行。どうやら開演直前にセットリストを変更したようで、そこからも『嘔吐』『殺意』『死刑宣告』と凄まじい気迫と熱量をもって叩きつけていく。

千秋「珍しくアンコールのセトリとか作っちゃったんだけど、全部やっちゃったんだよね。袖にいる大人達がすげえ怒ってるの(笑)。もう少しつきあってもらえますか?」そして、この日来場した観客に無料配布された歌謡テイストのあるスロウナンバー『異常な階段』を披露した後、「せっかくだから、気の済むまでやっちゃっていいですか? 君たちだけのために歌ってもいいですか?」とオーディエンスに千秋が話しかけ、お立ち台に登ったのだが、この行動が全くの予定外だったようで、困惑してドラム台の前に集まる楽器隊。そんな3人を尻目に、千秋はセットリストが書いてある紙を破り、丸めてカメラに投げつけていた。そんな大胆不敵な行動も、DEZERTが熱い支持を集めている理由として挙げられると思う。

そこからも凶暴なサウンドでフロアを魅了し、ラストの『包丁の正しい使い方-終息編-』では、フロアに発生したウォールオブデスのど真ん中に千秋が乱入。この日最大の混沌を生み出すと、全曲終演後にとどめと言わんばかりにSORAが凄まじいドラムソロを繰り出し、熱狂のままライヴの幕が降りた。

狂乱の TSUTAYA O-EAST公演を締め括ったDEZERTは、その興奮冷めやる間もなくイベントツアーに参加することになっているのだが、この日、8月からバンド初の全国ワンマンツアー「DEZERT ONEMAN TOUR 2015【4時20分の解体実験】-前編-を開催することを発表した。

全国8カ所9公演となる本ツアーの最終公演は、9月27日(日)東京・赤坂 BLITZ にて行なわれる。現在、イープラスにて全公演のチケットの先行予約がスタート。予約締切は5月10日(日)23:00までとなっているが、間違いなく各公演ソールドアウト続出になる可能性が高いので、参戦予定の方はご予約をお忘れなく。

また、この日のMCによると「(今日のライヴが)終わったら制作活動に入る」とのこと。ヴィジュアルシーンのネクストブレイク筆頭である最狂バンドの次に期待が高まる。(TEXT:山口哲生/PHOTO:インテツ)

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