モーニング娘。やBerryz工房、℃-ute、アンジュルム(スマイレージ)といった先輩たちがデビュー後、おおよそ1年以内にアルバムを作り出したのに対して、2013年2月の結成から約2年半という長い月日を経ての初アルバム。まさに「待望」と呼ぶにふさわしい。
今作は「The Best Juice」「The Brand-New Juice」という2枚組構成(カバーミニアルバム「The Cover Juice」が付属する通常盤は3枚組)。ここからも力の入り具合が伝わる。
「The Best Juice」はデビュー作『ロマンスの途中』から5th『背伸び/伊達じゃないよ うちの人生は』に加え、インディーズ時代「ハロプロ研修生feat.Juice=Juice」名義で発売された『天まで登れ!』も収録と、昨年までのJuice=Juiceの歴史を総括的に振り返る、入門編として最適な1枚。
キモとなるのは2015年以降の新曲を中心とした、真の意味で搾りたての彼女たちの歌声や世界がパッケージされたDisc-2の「The Brand-New Juice」。今作は15年以降のハロプロ楽曲の骨子となる作家陣面々がこぞって参加。Juice=Juiceの新たな魅力を引き出した。
中島卓偉はスウェディッシュ&フレンチポップな『愛・愛・傘』とシャッフルビートが軽快なダイエット&人生讃歌『GIRLS BE AMBITIOUS』で辣腕を振るう。カントリーガールズ作品でガーリーさを炸裂させまくる児玉雨子は『チクタク 私の旬』で恋する少女のヤキモキした姿を愛らしく描く。何せ児玉女史の作詞家デビュー作は宮本佳林のコピンク名義曲『カリーナノッテ』、愛称の良さは折り紙付き。『チクタク~』はサウンド面でもCMJKによるバロック音楽の要素を取り入れた意欲的内容。チェンバロの弾ける音色が歌詞の愛らしさを増幅。
新たなハロプロ楽曲のキーマンにして、謎の人物である星部ショウは11曲中4曲に参加とフル回転。つんく♂氏の楽曲からの影響を感じさせる節回しや言葉が散見される星部楽曲。中でも『CHOICE&CHANCE』での平田祥一郎とのコンビプレーは、それこそなじみ深いつんく♂ワークスかと見紛うほど。
ハロプロ初参加組の近藤薫&HASSEコンビは、メンバーたちの素の歌声が映える穏やかで優しい名バラッド『続いていくSTORY』で彼女たちを新たなステージへと導く。
一方で久々のハロプロ帰還となった松井寛御大作『生まれたてのBaby Love』は最高のフロアキラーナンバー。ついつい「東京Juice流」とでも呼びたくなってしまう。
そして以前からライブで披露されてきた楽曲にしてつんく♂氏の『選ばれし私達』は、これぞJuice=Juice!なハイエナジーロックナンバー。Juice=Juiceというチームの絆がありありと描かれた歌詞には涙腺が刺激されっぱなし。
バラエティに富んだ楽曲を乗りこなす彼女たちも初の全国ツアー「News=News ~各地よりお届けします!~」、初舞台「ミュージカル 恋するハローキティ」という初物尽くしを経たことでの成長、そしてつんく♂プロデュースから手を離れたことによるディレクションの変化と共に生まれる、メンバー個々人の独自の表現の芽生えが完全に活きた歌唱になっている。
宮本佳林は声の張りに丸みを帯びたことで一気に大人な印象を与える。舞台の主演を経たことで“歌う”というよりは“演じる”に近い表現方法で楽曲ごとに意図的に声色を変えているのが見事!中でも『愛・愛・傘』で見せるアンニュイな歌声はその真骨頂とも言える。
声の押し引きの付け方が素晴らしい高木紗友希。基本パワフルながら時に嫋やかさが出てくるのも女性的になったなぁと感慨深くなる。『生まれたての~』で聴かせるフェイクには思わずウットリ…。
金澤朋子は抜けが良すぎて芯がないように聴こえる不思議な声質が、硬質さも併せ持つことで声のメリハリが非常によく出るようになった上、妖艶さが5割増しになった気がします。特に『愛のダイビング』は彼女の締まった声がドライヴする楽曲に強固さをもたらしています。
宮崎由加はメンバー一細く優しいシルキーな声で楽曲に緩急を与えている。植村あかりは表情豊かな声を随所で響かせ、着々と培ってきた経験が開花しようとしてます。宮崎と植村の2人は『続いていく~』大サビ前で美麗なハーモニーを響かせる。「宮崎と植村の成長が直接ジュージュの成長に繋がる」というつんく♂氏の言葉通り、この2人の成長こそが今作のバラエティ溢れる展開のキモになっていると思います。6thシングル『Wonderful World/?a va ? ?a va ? (サヴァサヴァ)』以降、さらに複雑化する歌割り、宮本を中心にしつつキメや重要なパートが各々に分散されたのが何よりの証し。もはや誰がメインを務めてもおかしくないレベルに到達したのだと今作は証明してくれてます。
ここに新たなアイドルポップスの金字塔が誕生した。
語りつくせぬ魅力にあふれた「First Squeeze!」は、10月3日に台北、4日に香港公演が決定と着々と世界へと歩みを進めるJuice=Juiceにとっての新たな第一歩に相応しい1枚になったはずだ。
(田口俊輔)
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歴史的名盤!Juice=Juice「First Squeeze!」徹底分析
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