シンフォニック+メタルサウンドという重厚な音と荒んだ闇の感情を重ね合わせた世界観は、「痛い/黒い=病んだ音楽」を求める人たちから強い支持を獲得。3月に発売したシングル『愛憎のファムファタール』は、鮮血飛び交うグロテスクなMVが一部の映像サイトで放送禁止にもなれば、3月26日にTSUTAYA O-WESTで行ったワンマンライブはSOLD OUT!!を記録と、今、Synk;yetに大きな注目の視線が集まり始めている。
次代を担うヴィジュアル系バンドとして支持する声も出ているSynk;yetが、8月26日(水)に通算5枚目となるシングル『自責ノ園』を全5-TYPE発売する。
本作でも、テーマに据えているのが「罪と狂気」。前シングル『愛憎のファムファタール』では映像(MV)/歌詞/楽曲すべてに「リアリティ持った痛い姿」を描き出していたが、『自責ノ園』では「心の内側」にスポットを当て、「愛しき人を失くした主人公の咽(むせ)び葛藤する想い」を映像(MV)/歌詞/楽曲それぞれに投影。あえて直接的な描写を避け、受け止めた人の解釈次第という形を取っていった。とはいえ、振れた人の多くが自責の念の意味を容易に理解すれば、この物語の主人公の解釈に賛否の声を上げそうだ。
本作のジャケットの幾つかに登場する骸骨は、ヴォーカルの莉希いわく「『自責ノ園』の歌詞で歌った"骨の髄まで愛した人の亡骸"」とのこと。その言葉も意味も踏まえつつ、間もなくネット上に公開になるだろう『自責ノ園』のMVと、その中から聞こえてくる歌詞に耳を傾け、莉希が吐き出したかった想いの真意を、それぞれに解釈していただけたら幸いだ。
本作は:チャートでの上位アクションを狙おうと5-TYPEリリースになる。5-TYPEすべてに『自責ノ園』を収録。TYPE-A/Eには、『自責ノ園』のMV/Piano versionを。TYPE-B/Dには、新曲『青い忘却』のBand Version/Piano versionを。TYPE-Cには、1stワンマン時に無料配布された『Crimson Bloom』を、ファンたちからの熱い要望に応え収録している。特徴的なのが、『自責ノ園』と『青い忘却』のPiano versionだ。両曲ともバンドスタイルでは荒れ狂う重厚な音が轟き渡ってゆく。が、ギターの俐乃が奏でたピアノと莉希の歌声のみで構築した演奏では、二曲とも、とても哀切な想いが胸に響き渡る感涙導く楽曲に様変わっている。二つの楽曲の表情の違いを味わえるのも、本作の嬉しい特色だ。
Synk;yetは、シングル『自責ノ園』を手に、9月から「Synk;yet 7大都市単独公演『心中ノ園』」を行う。今回、なぜ7ヶ所でワンマンを行うのかにも、とても大切な意味が隠されていた。
今回のワンマン公演では、ファイナル公演地以外の各会場毎に、異なる内容を収録した1曲入りのCDが発売になる。最終公演の場となる10月23日の新宿ReNYでは、来場者全員に、同じよう他の会場で販売したCDとは内容の異なる楽曲を収録したCDが無料配布になる。つまり、7大都市それぞれで1枚ずつ、計7枚のCDが販売/無料配布される。
この7枚のCDを繋ぎ合わせると、一つの物語になる。ツアータイトルに連動した「許されない愛に身を投じた二人の心中の物語」が、7日間の記録としてそこには記されてゆく。「それぞれの会場ごとに、7つの物語の一つ一つを楽曲として届けよう」。その想いのもと、今回、7大都市を舞台にワンマンライブが行われるというわけだ。しかも、それぞれのCDは各会場でしか販売されない。すべてコンプリートしたいなら、全ヶ所に足を運ぶ必要性がある。
もちろん、その1曲だけを受け取っても楽しめる内容にはなっている。が、あくまでも続きを成す一編だけに、連なった物語の意味を知りたければ、無理してでも7ヶ所を巡るべきかも知れない。Synk;yetと一緒に財布の中身も心中するかは、あなた次第と言えようか。
一つ一つの行動すべてに意味を含ませている、今のSynk;yet。ぜひ、彼らの動きを細かくチェックしていただきたい。(TEXT:長澤智典)
Synk;yetが届けた新しい「罪と狂気」の物語とは?
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