乃木坂46 ドラマ「初森ベマーズ」高評価の理由

乃木坂46メンバー総出演ドラマ「初森ベマーズ」がとてつもなくヘンテコで面白い。

浮世離れした「ハイレベルなヴィジュアル」の持ち主である乃木坂46がスポ魂ドラマに挑戦!というだけで期待値大!しかも、元ネタになるのは76年代公開のキッズムービーの最高峰「がんばれ!ベアーズ」。汗と笑い、そして涙の王道展開が期待できる!と思いきや、想像を裏切るハチャメチャ展開に思わず唖然としているファンも多いだろう。

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まず目を見張るのは白石麻衣が演じる「キレイ」の超人ぶり。1話冒頭でキレイが剛腕を見せつける場面で、彼女がサッカーボールを投げるとボールが炎を纏まとい金網を突き破るというキャプテン翼のロベルト本郷も真っ青なシーンに始まり、その後も四方八方から飛んでくるボールをアクセルスピンしながらキャッチするなどトンデモぶりを連発。2話ではエステ中に足に装着したウェイトを上下させたり、空気椅子で食事をとるなど回を重ねるごとにエスカレート。もはや「少林サッカー」なみに過剰になっていく練習内容が楽しみの一つになりつつある。

初森側も1話目では成りを潜めてたものの、2話目以降では度胆を抜く場面が満載。監督となる「鎌田」が働くスナックのオカマによる濃厚な『君の名は希望』のカラオケが突如差し挟まれるという口アングリな演出、ベマーズ監督オーディションのシーンで映画監督・井筒和幸が「俺も監督や」とスポット参戦とやりたい放題。

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極めつけは、ベマーズメンバーによる生卵でのキャッチボール練習場面。メンバーが空腹のあまり、わざとキャッチを失敗し、割れた卵の中身を飲み干すという謎のシーンを長尺で映し出した。後の伏線となるのなら恐れ入る、そのような頭に“?”がいくつも浮かぶシーンが1話に一度ならず数分の割合で入り込んでくるのだから気が抜けない。もはや何のドラマを観ているのか分からなくなる演出の連発に腹がよじれてしまう。

以上のような展開が目白押しなので、ただのコメディドラマか…と思わせないのは、彼女たちの真っ直ぐな演技のおかげ。

秋元康+金曜深夜ドラマ枠といえば、AKB48総出演の「マジすか学園」と対比を間違いなくされる。ただ、「マジすか」がほぼ演技経験の無いメンバーたちによる学芸会からの成長劇だったのに対し、乃木坂メンバーは多くの舞台経験で培われた演技力が発揮されているので「そのセリフ回し、キケン!」とストーリー以外の部分でハラハラすることなく没入できている。

「イマドキ」役の若月佑美の演技力は今作の柱。彼女一人がいるだけで場が引き締まる。シリアスなシーン、笑いのシーンとどの場面でも彼女の一言で物語にエンジンがかかる。

若月に匹敵するのはキレイ役の白石麻衣。頭語、語尾のイントネーションの強さ一つでプライドの高さを表現している。しかも過剰に演じているわけでなく、ナチュラルに出ている辺り役への没入度合が分かる。ソフトボール経験者ゆえ投球、バッティングフォームも見事。

桜井玲香演じるブナンは、その名の通り無難な事なかれ主義。何かと暴走しがちなイマドキを落ち着かせようと「まぁまぁ」と強張った作り笑顔を全開にさせる。常に表情豊かなので、セリフのないパートでも顔を見るだけで感情が伝わってくるのが素晴らしい。

意外な発見は松村沙友理演じるユウウツ。ペットのアリ「タジマ」と孤独を愛するネクラ少女を演じる松村は終始目が泳ぎっぱなしな上、独り言を呟く時の声のトーンの低さがかなりリアル。もっと見せ場がほしくなるほどのハマり役です。

ズッコケさんだらけのベマーズメンバーの中で、ななまること西野七瀬はまだ主役としての魅力を存分には発揮できていない印象。その分、個性豊かな面々を活かす歯車的役回りに徹している。まるで引っ込み思案ながら要所で存在感を光らせて来た彼女の乃木坂46としての歴史をそのまま見ているよう。ここから主役としての本領が発揮されるはずだ。

また、1話には川後陽菜がほんの一瞬だけ、高山一実演じるコテの剣道の相手役として出演。その出演時間はなんと1秒!(「755」での本人談)その後も、堀未央奈、永島聖羅、川村真洋などのメンバーも要所で突然登場。「乃木坂46を探せ!」的な楽しみも見逃せない。

まだまだ物語は動き出したばかり。これからどんなハチャメチャな展開を見せていくのか、期待大。


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