唯一のメンバーであるRevoは、4年半のブランクの中でも精力的に活動しており、とりわけLinked Horizon名義ではアニメ「進撃の巨人」主題歌の「紅蓮の弓矢」で2013年末にNHK紅白歌合戦にも出演。その唯一無二の音楽性がファン層を拡大し続けてきた。
で途絶えることなく八面六臂の活動を続けて来たからこそ、その経験が楽曲のクオリティの底上げにつながったと語るRevo。「この数年でオーケストラのコンサートも経験したし、シンフォニックな部分もクオリティが上がってきた。同時にバンドの部分もシンフォニックな要素としっかり噛み合うようになっている」として、Sound Horizonにも確実な進化が訪れたことを示唆する。
しかも『Nein』はSound Horizonにとってメジャーデビュー10周年の節目ともなる作品。Revoは「10周年の集大成の作品なので、過去のSound Horizonらしい要素をふんだんに入れたつもりです」としており、十分にファンの期待へ応える作品となっている。とはいえ新しいリスナーについても「新作を聴くことによって、過去の作品にも興味を持ってさかのぼってもらえるようにした」と配慮を忘れない。さらに音楽的にも「10周年だからこそ、ただ単に今までのことを全部おさらいするだけっていうのじゃつまらない」として、従来には見られなかったような新しいアプローチも山ほど試されているようだ。
『Nein』とは、ドイツ語で否定の意味を持つ。その言葉が10周年となる本作のタイトルに選ばれたのには深い意味があるだろう。すなわちそれは単純な否定の意味ではなく、Revoが「常に次を見据えている」と言うようにSound Horizonが未来へ向い続けるからこそのもの。今回のStory CDはまさしく、そんなSound Horizonの過去と未来をつなぐ物語を描いている。
今回のリリースに際して、「Sound Horizon10周年スペシャルサイト」にてオフィシャルロングインタビューを公開。前作からLinked Horizonを経てSound Horizonの音楽性に何が加わったのか?またRevoの創作の姿勢とは?さらにはここでしか読めない『Nein』制作秘話とその物語を楽しむためのスペシャルメッセージを、前編・後編の2回に分け、およそ10000字の大ボリュームで初めて語り下ろした。作品を深く楽しむために、ぜひ読んでみてほしい。
(文=さやわか)
過去と未来を繋ぐSound Horizonの9thアルバム
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