総選挙後のSKE48須田亜香里に覚醒の予感

いざ終わってみれば指原莉乃の圧倒的勝利、そしてテレビ放送の視聴率も18%超えと大きな盛り上がりぶりを見せて終了した「AKB48 41stシングル選抜総選挙」。

SKE48の大躍進、地元・福岡のHKT48も健闘と、未来が見える結果となったが、個人的に一番驚かされたのがSKE48須田亜香里の選抜落ちだ。

須田がこの5年間、どんながんばりを続けてきたか、そして今のSKE48になくてはならない存在であるかは、私が語るまでもないだろう。彼女の魅力が伝わるエピソードは、ネット上で検索すればいくらでも引っかかる。私も2009年から2012年くらいまで仕事でSKE48を追い、何度も名古屋に足を運んで彼女たちの成長を目の当たりにしてきた。実際、須田とも接する機会が幾度とあったし、インタビューも2度ほど行っている。その際には彼女のアイドルとして努力を絶やさない姿勢、前向きな考え方にプロフェッショナルとしての強さを感じ、松井珠理奈や松井玲奈とは違った魅力に惹きつけられた。その結果が昨年の10位という結果につながったのだと、個人的には思っていた。

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※集合写真でも一人冴えない顔だった須田。

昨年はそんな快挙を成し遂げた須田だったが、今年5月20日の投票初日速報では32位とギリギリでアンダーガールズ入り。その時点でも「えっ!? そんな低いの?」と驚きはしたが、最後に巻き返してなんとか16位入りするだろう。そう楽観視していた。しかし、結果はご存知の通り。私はテレビ中継で総選挙の様子を観ていたが、CMでぶつ切りになる彼女のコメント…というか泣き崩れる姿を正視することができなかった。茶々を入れながらビールをのみ続けていた、と思う。それくらい受け入れがたい現実だったのだ、個人的には。

速報で6866票、最終的には4万3665票と、確かに昨年の最終票数4万8182票から4500票近く減っている。この結果に対して、須田は総選挙時のコメントで「私の努力不足でした。私ずっと、自分の首を絞め続けることでしかがんばれなくて、何回も『もう限界だ……』と思ったんですけど、だけどみなさんの笑顔が見たいから、がっかりさせたくなくて、ずっとこうやって追い込んだらきっと自分は一生懸命になれるだろうと思いながら、1つひとつのことをやってきたんですけど、たぶんその中で楽しむってことを忘れてました。アイドルで一番大事なことは、自分がまず一番に楽しむことってわかってたんですけど、それができなかったのが今回ランクが落ちてしまったことだと思います」と号泣しながら思いを口にし、最後には「これからも皆さんが一緒にいてくださる限り、すべてのことは絶対に笑顔に変えてみせるので、これからもお願いします」と前向きな言葉を寄せた。しかし、その後も画面に映る彼女の姿は、うつむきながら涙を流すというもので、発表前に見られた笑顔を再び目にすることはできなかった。

そんな彼女が、6月9日未明に放送されたMBSラジオ「アッパレやってまーす!」に生出演。その際に須田は総選挙終了後の夜に卒業を考え、「あの涙は、『アイドル・須田亜香里』が剥がれ落ちた涙」と語ったという。さらに番組内では「もしも須田亜香里が神7入りしていたら」と題して、当日7位内に入っていた際に言おうとしていたコメントを仮想再現。その際の様子は彼女のGoogle+でも触れられており、「本当に言おうとしてたこと全部細かく言ったので恥ずかしかったし、本番みたいに手が震えたけど お陰さまでアイドル須田亜香里が成仏しました。笑」と述べている。

「アイドル・須田亜香里」は6月6日のヤフオク!ドームのステージで死に、同時に「人間・須田亜香里」のアイドル人生がスタートした今。改めて「アイドル人生を楽しむ」ことに全うしようとしている彼女のこれからは、間違いなくこの1年間とは違ったものになるはずだ。これからの須田、そしてSKE48がまずます楽しみになってきた……そして1年後の総選挙では、さらに面白いものが見られることだろう。
(文=西廣智一)
写真=(C)AKS

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