韓国版「のだめ」オリジナルキャラクターによる三角関係、毒となるか薬となるか

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。

写真=KBS 2TV「ネイルもカンタービレ」スクリーンショット


苦心の末の三角関係カードは「ネイルもカンタービレ」の救世主となるだろうか。

成績不振により視聴率が5%台にとどまっている「ネイルもカンタービレ」。同時間帯最下位にあたる成績だ。誰が予想しただろうか。下半期最高の期待作に挙げられていた「ネイルもカンタービレ」の中間成績である。放送前から期待を集め、話題性の高さをアピールしていたが、今はそれさえ薄くなってしまった。問題となった呼称“オラバン(済州島の方言でお兄様を意味する言葉)”が修正され、議論になったシム・ウンギョンの演技力も安定感を取り戻したものの、一度離れた人々の関心はなかなか戻ってこない。過度な原作依存と解釈不足、そして対立の浮上が手痛い結果につながった。


ちょうど折り返し地点。危機に陥っている「ネイルもカンタービレ」が切り札を使った。ネイル(野田恵/シム・ウンギョン)を中心にした三角関係だ。韓国で4日に放送された「ネイルもカンタービレ」第8話でもユジン(千秋真一/チュウォン)とユンフ(パク・ボゴム)の神経戦は相変わらずだった。Sオーケストラの公演で指揮者として自由奔放なカリスマ性を見せたユンフにユジンは大きな刺激を受けた。これはユジンとAオーケストラの協演を成功に導き、ライバル意識と嫉妬を通じて成長したユジンは校内のスターになった。


一方、有名チェリストで手術を受けなければならないユンフはネイルに一目ぼれし、交換学生になりたいと自ら志願した。この日の放送でユンフがネイルに聞いたのは、どうしてユジンが好きなのかということだった。ネイルは「ハンサムだし、指揮やピアノが上手なところが好きでしたが、最近は先輩にブサイクでピアノも下手になってほしいと思っています」と打ち明けた。これに先立って行われた協演で、ネイルはユジンの演奏に刺激を受け、距離感を抱いていた。こんなネイルの反応にユジンは「僕の演奏に惚れた」と喜んだが、その心は他人に読めるようなものではなかった。


ネイルに対するユジンの冷たい態度にあきれたユンフは「生まれつきか、クセか? クセなら直せ。女性に対するマナーを守れ」と指摘した。ユジンが「お前こそ忠告はやめろ」と言い返したことで神経戦は揉め合いに発展し、この過程でユンフの傷が再発した。これが単なる神経戦を超え、イルラク(峰龍太郎/コ・ギョンピョ)の誤解を呼んでユジンを孤立させた。またユジンは幼いごろのトラウマを理由にピアニストになる道を拒んでいるネイルにコンクール専門教授ガンジェ(江藤耕造/イ・ビョンジュン)の専担レッスンを薦め、対立した。ピアニストになりたくないとトラウマを訴えるネイルの姿が「ネイルもカンタービレ」第8話のエンディングを飾った。


このようにオリジナルキャラクターで作られた三角関係は、意外にも自然にドラマに馴染み、原作による制限をある程度なくしたものの、依然として残念な部分はある。「ネイルもカンタービレ」が協演を通じて描こうとしたのはユジンの成長とネイルの成長痛だ。しかし音楽ではなく人間関係が主となり、ドラマ自体が三角関係に飲み込まれてしまった。もちろん原作である「のだめカンタービレ」にも三角関係はあった。オーボエ奏者の片思いがそれだったが、これも成長をする装置として活用されただけで、線を超えることはなかった。「ネイルもカンタービレ」との差がここにある。


物足りなさの残る選択だが、それでも雰囲気を変えることには成功した。「ネイルもカンタービレ」がこの切り札を最高のカードに変えることができるのか、今後の展開が気になる。





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